今年の夏は35℃以上の猛暑日がほとんどなく寝苦しい熱帯夜もなく過ごしやすかった。
世界へ目を向けると地中海沿岸、北米西部で熱波襲来。
6月 カナダ ブリティッシュ・コロンビア州リットンで国内観測史上最高気温49.6℃。
8月 イタリア シチリア島フロリディアでヨーロッパ観測史上最高気温48.8℃。
高気圧が上空を覆って留まり、高温の空気が閉じ込められるヒートドーム現象。
大規模の山火事も発生。
アメリカ カリフォルニアの山火事は昨年(2020年)過去最悪で、今年も過去最悪レベル。
地中海沿岸、北米西部の他、オーストラリア南部も近年大規模の山火事が発生している。
これらの地域は地中海性気候。
ケッペンの気候区分図
ケッペン Köppenの気候区分図を思い出したので、探してみたら
World Maps of Köppen-Geiger Climate Classification(koeppen-geiger.vu-wien.ac.at/)のClimate shiftsに区分図 MAPSとシェープファイル Shapefileなどのデータ DATAがあった。
20世紀前半、ケッペンが考案した図で、のちガイガー Geigerなどが修正。
大分類は、
A 熱帯
B 乾燥帯
C 温帯
D 亜寒帯(冷帯)
E 寒帯
A、C、Dの地域に樹林帯がある。
気温と降水量を元に細かく分類されているが、大まかには
f 年中湿潤
w 冬乾燥
s 夏乾燥
夏乾燥の地中海性気候は Cs。
日本は本州以南がCf、北海道が亜寒帯湿潤気候 Df。
さらに細かく本州以南の大半が温暖湿潤気候 Cfa、北海道の大半がDfb。
同じCfでもヨーロッパは西岸海洋性気候 Cfb、Cfc。
Cwは温暖冬季少雨気候。
Dwは亜寒帯冬季少雨気候。
Aw サバナ気候
Af 熱帯雨林気候。乾季なし
Amは中間。乾季あり
乾燥帯は、
BS ステップ気候
BW 砂漠気候
寒帯は、
ET ツンドラ気候
EF 氷雪気候
しばしば日本の亜熱帯化という文言を耳にするが、ケッペンの気候区分には亜寒帯があるのに亜熱帯がない。本州も亜熱帯の南西諸島も同じ区分。
試しに1976-2000年のShapefile .shpをダウンロードして重ね合わせてみた。
ケッペンの気候区分図 1976-2000 →
気候は変動するものなので、植生が少しずつ変化して気候区分図も少しずつ変化する。
その速度が速いと適応できなくなって困る。
2051-2075年の区分図を見ると北海道が温帯化して(D→C)、本州以南で冬季少雨が目立ち始める(Cf→Cw)。今年2月、栃木などで山火事があったが、今後たびたび発生するようになるのかもしれない。
過ごしやすいと言われる温帯だが、日本は大雨、他方山火事。極端化が進んでいる印象。
地中海沿岸や北米西岸の山火事は、毎年頻発するようだと潅木疎らの乾燥帯に化してしまいそうだが、冬は雨が降る気候。2051-2075年の区分図を見ると劇的に変わるわけではなさそう。北米西岸はむしろ温帯の地域が内陸へ拡がっている。ただし、スペイン、モロッコで乾燥帯化が目立つ。
亜寒帯シベリアのツンドラ地帯でも近年大規模の山火事が発生している。
永久凍土が永久でなくなりつつある。
昨今よく耳にする「脱炭素」
一方、山火事で二酸化炭素排出
山火事が原因で地球温暖化
地球温暖化が原因で山火事
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ケッペンの気候区分図は、
Peel et al(2007)(people.eng.unimelb.edu.au/mpeel/koppen.html)
からも見れる。
気温と降水量から区分する条件式も一通り記されている。