「第三の波」。
政府 『この3週間が勝負』。
新型コロナウイルス感染症対策分科会会長 『個人の努力だけに頼るステージは過ぎた』。
指数関数的増加
ちょっとおさらい。
算術級数的増加が
2、4、6、8、10、……とか、5、10、15、20、25、……で、
幾何級数的増加が
2倍2倍で2、4、8、16、32、……とか、5倍5倍で5、25、125、625、3125、……。
21、22、23、24、25、……と51、52、53、54、55、……だから
指数関数的増加とも言われるが、
式にすると
y=2x、y=5x
と
y=2x、y=5x
で
y=5x
と
y=2x
が下のグラフ。
ついでながらxが+1で、y=2xの増加率(成長率)は100%。
y=5xの場合、400%。
細菌・ウイルスが感染者1人から2人に感染して連鎖的に続いていく場合、y=2x曲線。
感染者1人から何人に感染していくか、が再生産[の]数。
基本再生産数 R0は、細菌・ウイルスの種類によって値が異なり、値が高いほど感染力が強い。
例えば麻疹ウイルスによる「はしか」の場合、空気感染するので、基本再生産数が高い。10以上。(自然状態で)感染者1人から10人以上に感染し続けていく。
仮に10とした場合、10倍10倍で10、100、1000、1万、10万、……。y=10x曲線。xが+1で、増加率(成長率)は900%。
新型コロナウイルスの基本再生産数は、WHOの推定で1.4~2.5。
比較されがちなインフルエンザウイルスの基本再生産数も似たり寄ったりの値。
ただ、新型コロナウイルスのほうが高いとみられ、最近少し感染力が高くなっている。
以前、西浦先生がR0=2.5の値を使って、接触減をお願いしていた。
5割接触減で2.5 × (1-0.5) = 1.25倍。
6割接触減で2.5 × (1-0.6) = 1倍。
8割接触減で2.5 × (1-0.8) = 0.5倍(半減)。
これにならって仮にR0=1.4とすると
1.4 × (1-0.29) = 1倍。
R0=1.7とすると
1.7 × (1-0.41) = 1倍。
それぞれ約3割、約4割接触減で1倍。
接触減イコール人出減というわけではないが、
要は何も対策をしない場合(自然状態)の再生産数が基本再生産数で、
接触減の対策をしていけば値を減らして1以下つまり減少に転じさせることもできる。
いわゆる実効再生産数 Rt。
R0、Rtの推定は、数理モデルによるので、理数に強い人でないと難しいが、簡易式を用いたRtは、例えば次のページ。
都道府県市区町村 - 新型コロナウィルス - 実効再生産数(全期間) →
基本的には前の週との比。0.7乗がついているが。
一時的に大きく跳ね上がっていたり2.5~3超(Rt>R0)の都道府県は、クラスターの発生など考えられるものの感染者数が少ないので、封じ込めることができるはず。
気になるのは連日感染者数3桁の都道府県。
最近の首都圏、愛知、大阪、兵庫、北海道の値をみると1~1.5ぐらい。
東京をみると1.4、1.3、1.2、1.1と低くなっているのだが、
100人ずつ見てしまいがちだから、やたら増えているような感じがする。
実効再生産数を持ち出さなくても
200から300に増加 - 1.5倍
300から400に増加 - 1.33倍
400から500に増加 - 1.25倍
500から600に増加 - 1.2倍
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1倍だと増えないが減りもしない。
「第二波」から「第三波」までの間、9-10月の東京がほぼ1倍で推移。
ただし、連日100人で推移していくのと連日500人、連日1000人では医療機関の逼迫度が違ってくる。
逼迫してくると重症者も増えてくる。
重症者が増え出してから止めようと思っても止められない可能性が高い。
個人で今以上できる対策はないに等しい。
ちょっとくらい対策を強めただけでは増えていく。
思い切った対策をしないと止められなくなる。
早めのほうが逼迫度も抑えられる。
経済との両立といっても、
Go To ××と入国制限緩和しすぎでは
ムリナンダイ。
マスク外して食べてマスク着けて外して食べて着けて……。
匙ぶん投げたくなるのも分かる。