立山連峰に立山というピークはない。
雄山、大汝(おおなんじ)山、富士ノ折立の3つのピークの連なりが立山本峰。
大汝山が標高3000m超で最高峰。
多くの人は雄山を目指す。
雄山神社(www.oyamajinja.org/)
HPのLINKに周辺の山小屋などのリンクあり
麓の芦峅寺(あしくらじ)、岩峅寺(いわくらじ)の雄山神社とともに3社ある。
雄山山頂の峰本社(峯本社)が本社。奥社ではなく。
開山期間:7月-9月。
雄山神社は越中国一宮。
※ 越中国一宮は4社ある
富山の人みな登るのかな。
雄山と浄土山の間の鞍部が一ノ越で、
室堂平から登る。
ハードな参拝路。
立山登山
一ノ越まで
今年(2024年)でラストランになる立山トンネルトロリーバス。
1995年まではディーゼル・エンジンのバスだった。
その年の8月下旬。
当初、室堂平から一ノ越へ登る予定でいたが、大観峰でマがさして、雷殿という途中駅で下車した。
黒部平から仰ぎ見た立山が良かったのと
ライデンという名に誘われた。ライチョウ(雷鳥)に会えそうな感じもした。
乗ってまもなく雷殿駅。トンネル歩いて外へ出ると……
行く手に雪渓が続いていた。
ヒエッ。
雪かきしている人がいたので尋ねてみたところ、雪渓はここだけという返事だった。戻りかけていたので迷った。
底が平らのスニーカーだったのも良くなかったが、
後続がいなかったので一歩一歩時間かけて通過することにした。
眼下にはエメラルド・グリーンの黒部湖。口開けて待ち受けているように見えた。
急斜面のトラバースだが、難所はここだけ。
30分程で東一ノ越着。
黒部平、タンボ平から上がってくる道もある。
※ トロリーバス転換後も雷殿駅は残ったが、まもなく雷殿~東一ノ越の山道崩壊、通行止め(1998年)。雷殿駅も休止になり、そのまま廃道・廃駅になった
▼ 東一ノ越から雄山方向
▼ 獅子岳(左)と鬼岳(右)
歩を進めるにつれてアルプスに来た感が増していく。
東一ノ越から1時間あまりで一ノ越着。
途中、ライチョウに会えた。
翌日、浄土山でも会えた。
室堂~一ノ越周辺は高い確率で会えるみたい。
室堂平から一ノ越の登りコースタイムは約60分-90分。まちまち。
▼ 一ノ越から室堂平
良い眺め。
雪渓を横切る箇所もあるが、気持ち良く駆け下りれそうな道に見えた。
石畳の道。
ぞろぞろ行列つくる時もある。
一ノ越~東一ノ越の南の谷は御山谷(おやまだに)。
一ノ越から雄山神社
一ノ越到着はほぼ正午。大勢の人で賑わっていた。
一ノ越には一ノ越山荘(tateyama-1nokoshi.in.coocan.jp/)がある。
標高約2700m。
▼ 雄山から下る途中、一ノ越山荘
ここに泊まる。
一息ついたら高山病の症状が出始めた。
夜行列車(アルプス)に乗って訪れたが、甲府まで座れず眠れなかったので、そのせいかも。
※ アルプスは当時急行
ゆっくりと雄山を目指す。
急勾配のガレ場で、初心者向けとは思えないが、
あちこち登山者が張りついているのを見ると謎の安心感が湧いてくる。
落石に注意。
二ノ越、三ノ越と休み休み通過。
三ノ越から少し傾斜が緩くなる。
山頂の山小屋が見える。
四ノ越、
13:10 山頂の五ノ越着。一ノ越から55分。
山小屋は雄山神社 峰本社(峯本社)の社務所、
および売店。
泊まれないが、休憩できる。
標高2992m。3003mとされている雄山のピークは鳥居の先。ほぼアルプス一万尺。
登拝料を納めてから登る。混んでいる時は順番待ち。
祠の前で神主さんが祝詞(のりと)をあげてお祓い。
大皿に注がれたお神酒がまわってくる。
『私は今、日本三霊山立山の頂上に立った。』
霊山のあと2つは富士山と白山。
神紋は鷹の羽。
701年、文武天皇の代、開山。
越中国司(越中守)の佐伯有若の子・佐伯有頼(ありより)が白鷹に導かれ、立山開山。
雄山神社の祭神はイザナギノ神(伊邪那岐神)とアメノタヂカラオノ神(天手力雄神)=アメノタヂカラオノミコト(天手力男命)。タヂカラノ神様は先日記した石割神社(山梨県石割山)の神様でもある。
大汝山
山頂にいた人達はみな雄山で折り返し下っていった。
歩いている間は問題なかったが、
どういうわけか休むと気持ち悪くなる。
お神酒がまわってきた時は危うかった。
でも時間がまだあったので、
鞭打って大汝山へ。
少し険しくなるが、ほとんどアップダウンなく、30分弱で青い屋根の山小屋に着いた。
大汝休憩所。
入口が開いていたが誰もいなかった。
※ 今は有人の食事処。室堂平の雷鳥荘が7月-9月営業。宿泊施設ではない
すぐ傍に大汝山山頂。立山最高峰。標高3015m。
▼ 黒部湖が見えた
奥の尖った山は後立山連峰・針ノ木岳。
剱岳(剣岳)はあいにくガスで隠れてしまった。
大汝山の先が富士ノ折立。標高2999m。
その先、室堂平へ下ることも可能。真砂岳、別山へ続く縦走路。
大汝(おおなんじ)は「女」の字が入っているが、オオナムジは男神。
雄山があって雌山がないが、白山の神が大汝山、富士山の神が富士ノ折立で祀られる構想だったようなことが「立山黒部物語」に書かれていた。
白山にも大汝峰があり、何か関係ありそう。
見る見るうちにガスに覆われてしまったので、大汝山で折り返し。
雄山からの下りは転ばないよう注意。
落石にも注意。
15時前 一ノ越山荘着。寝込んだ。
食欲がわかなかったが、せっかくの夕食なので無理矢理食べた。
不思議なことに徐々に回復。翌日完全に回復した。