超新星(スーパーノバ) Supernova SNは、ある日突然夜空に光り輝くが、その実体は新しい星ではなく老いた星(恒星)の最期の大爆発。
リアルタイムで肉眼で見られる機会はなかなかない。
よって関心持つキッカケがあまりないかもしれないが、重い元素の生成に関わっていたり、(場合によっては)ブラック・ホールを生み出したり、どうやら非常に重要な自然現象(というか超常現象)のようです。
有名どころは、
- 平安~鎌倉時代の藤原定家が日記『明月記』に記した明るい星
SN1006、SN1054、SN1181。藤原定家は1162年生まれ - ケプラーが観測したSN1604
- 1987年2月に出現した大マゼラン雲の超新星[残骸] SN1987A
地球から16万-17万光年。
超新星爆発の際、大量に放出されるニュートリノを岐阜県神岡のカミオカンデが捕捉 ⇒ ノーベル賞受賞
1987年2月オイラの日記 --- チョーシンセー……チョの字も見当たらない。夢大陸アドベンチャーに夢中になっていたようです。
SN1987Aは『現代の宇宙像』という本の表紙写真だったから覚えているが、下はハッブル宇宙望遠鏡の(可視光線)画像。NASAのX線望遠鏡NuSTARのサイト(www.nustar.caltech.edu/image/nustar150507b)から拝借。
光(電磁波)は光でも(我々の)目に見える光(=可視光線)と目に見えない光がある。
後者は、可視光線より波長が長い赤外線、もっと長い電波、可視光線より波長が短い紫外線。
そして、紫外線より波長が短いX(エックス)線、もっと短いγ(ガンマ)線。
X線、γ線は放射線で、放射線のうちα(アルファ)線、β(ベータ)線は光速未満の粒子線。
可視光線を捉える[光学]望遠鏡・天文衛星は誰でも馴染みやすいが、世の中目に見えるものばかりで成り立っているわけではなく、目に見えないものばかりで成り立っているようです。
目に見えない世界はとっつきにくいが、
- 電波を捉える[電波]望遠鏡・天文衛星
- 赤外線を捉える[赤外線]望遠鏡・天文衛星
- 紫外線を捉える望遠鏡・天文衛星
- X線を捉える望遠鏡・天文衛星
- γ線を捉える望遠鏡・天文衛星
が加わることで(全てではないが)いろいろ見えるようになった。
なお、電波の一部、赤外線の一部、紫外線の大半、X線、γ線は地球大気を透過せず地表まで到達しないので、とりわけ紫外線、X線、γ線を(直接)捉えようとすると自ずと地球大気圏外の宇宙望遠鏡・天文衛星になる。
ちょうど良いページがあった。
国立天文台 多波長で観る宇宙(www.nao.ac.jp/study/multiwave/)
前回冒頭で少し触れた理化学研究所などの研究の観測対象は、カシオペアA(カシオペヤA)。
地球からカシオペア座方向約11000光年の超新星残骸。
爆発の光が地球に届いたのは推定1680年頃で、観測記録は残っていない、とのこと。超新星爆発のみながみな光り輝いて見えるわけではないようだ。
カシオペアAの画像は、NASAのX線天文衛星チャンドラのサイト(chandra.si.edu/)などで閲覧できる。
- 1999年-2004年のカシオペアAの画像(
chandra.si.edu/fifth/casa/) ・・・ リンク切れ(2024年時点) - 合成画像 →
珪素/マグネシウム Silicon/Magnesium、鉄 Iron、酸素 Oxygen ・・・ チャンドラ
[放射性]チタン(チタン44) Titanium ・・・ NuSTAR
可視光線 Optical ・・・ ハッブル宇宙望遠鏡
下の合成画像はNuSTARのサイト(www.nustar.caltech.edu/image/nustar140219a)から。
ちなみに日本のX線天文衛星も早い時期から世界の第一線で活躍していて、来年度(今年度の予定だったが1年延期した)、7番目の
XRISM(xrism.isas.jaxa.jp/)
が月面探査機 SLIMと一緒に打上げられる予定。
追)2023年9月打上げ