祖母山は標高1756m。
嫗(うば)岳、姥岳とも。
祖母山の祖母はトヨタマビメ(豊玉姫)とされる。
祖母傾情報HP(www17.plala.or.jp/sobosanB/)を見ると2023年は11月13日初雪。
主な登山コースは、
- 祖母山 - 国観(くにみ)峠 - 三県境 - 千間平(せんげんだいら) - 北谷登山口 - 五ヶ所高原・三秀台
- 国観峠 - 神原(こうばる)
- 祖母山 - 宮原 - 川上渓谷/尾平(おびら)鉱山
神原は大分の竹田、尾平鉱山は大分の緒方。
上記以外の登山コースもあるが、総じて長丁場。
祖母山は、九州では屋久島、くじゅう連山に次ぐ高さ。
『日本百名山』によると『昔は九州第一の高峰として国定教科書にも載ったことがある。』
阿蘇から見たのが最初で、登ってみようという気になった。
大分側の神原渓谷から登るつもりでいたが、
予定していた夕方までに辿り着けなかった。
県道のトンネル手前に林道入口があったが、真っ暗闇。
土地勘ないし、何だか立ち入ってはいけないような気がした。
(県道の先の)五ヶ所高原まで行ってから進退決めよう---
しかし、暗すぎる夜道、車1台も会わない、だんだん心細くなって、バックミラーを見たら……
疲れている自分が映った。
翌日の予報も雨に変わってしまったので結局この時は断念して温泉に浸かった。
祖母傾山系は、登山口にとりつくまでが一苦労。
バスは基本的に住民用。登山者用には
・ 豊後竹田駅~神原の直行バス
・ 緒方駅~尾平鉱山のあいのりタクシー
がある(2023年時点)。要予約。
マイカーの場合、ガス欠に注意。
神原/神原渓谷
・ 健男社
上宮は祖母山山頂
・ 神の里交流センター緒環
・ 民宿清流
・ 穴森神社
など
尾平鉱山/川上渓谷
・ LAMP豊後大野 ・・・ サウナ併設
など
五ヶ所高原から祖母山山頂
“充電”後、再挑戦---
9月の台風一過。
昔は台風の後は晴れることが多かった。今はそうでもないが。
2回目は事前にガイド本を見て、五ヶ所高原から登ることにした。
前回離脱した津留(熊本県高森町)の少し先が五ヶ所(宮崎県高千穂町)。
大分、熊本、宮崎の三県境を経由して登るコース。
五ヶ所高原の三秀台[ひめゆり公園]から祖母山、阿蘇山、くじゅう連山を見渡すことができる。晴れていれば。
北アルプスの上高地などに名を残しているウェストンのレリーフもある。「日本アルプス」の名付け親。祖母山にも登っている。
五ヶ所高原から見た祖母山方面。(下山後。)祖母山は中央奥にあるが、雲隠れ。
上の写真の中央左の尖峰は筒が岳。右端は黒岳(障子岳、親父山の西)。
五ヶ所高原から林道奥の北谷登山口まで車で入ることができる。
ぬかるみにはまらないよう注意しながら進んだが、
悪路ではないと思う。
登山口の駐車場も思いのほか広かった。
歩く場合、片道2時間~2時間半のコースタイムになっているので、難易度が高くなる。五ヶ所高原に着くバスも登山者用ではないので、上の小屋で1泊する必要が出てくると思う。
高千穂町からは祖母山の南の障子岳を経由するルートもあるが、長丁場。
北谷登山口の手前に祖母嶽神社 一の鳥居がある。
一帯は大分を流れる大野川の源流域。熊本、宮崎では大谷川に名を変える。
その本谷沿いに登る風穴コースもあるが(途中に風穴がある)、急登で「注意が必要」とのこと。手持ちのガイド本には何も記されていなかったので、迷わずメインの千間平コースをジグザグ登った。
千間平~三県境(茶屋場)~国観峠の稜線歩きは、平ら~緩やかなので軽快に歩ける。
が、揺れる草木がゴーゴー騒がしい。背丈以上の笹(クマザサ。スズタケ)を掻き分けながら進む箇所もあった。
登山口にクマ注意の張り紙もあったので、行きも帰りも駆け足で通った。いないようだが、1987年以降も目撃情報があった。
国観峠で神原渓谷からの登山道と合流。
国観峠から祖母山。(下山時。登りの時は手前しか見えなかった。)
国観峠は8合目手前。
広々としていたので、少し休憩。
なお、祖母山の山小屋は、
・ もう少し先(上)の9合目小屋(かつて管理人がいた。あけぼの山荘)
と
・ 神原登山道の5合目小屋
がある。いずれも無人の避難小屋。
最後の登りは森の中。
道がところどころ沢と化していた。
そんな時のためにスパッツ(泥除け)---
ズルッ
ニョロッ
ヘビではなく大ミミズ
その名はシーボルトミミズ。西日本に生息する日本最大のミミズ。メタリック・ブルー。
泥の上の雲。
道中「きっと晴れる」と幾度も念じながらとうとう山頂までやって来た。
願いが通じたのか、
祖母様が雲を吹き飛ばしてくれた。
祖母山山頂から尾平鉱山方面
祖母山自体は特段目立った山容ではなく、最後のブナ林内の登りなどは(地元神奈川の)丹沢山を登っているような錯覚に陥った。
だが、山頂から東に見えた障子岩尾根や傾山は岩々で、
下山後に五ヶ所高原から見えた山も結構尖っていた。
祖母山山頂から障子岩尾根
(写真で見ただけだが、)尾平からの祖母山~障子岳もギザギザ稜線。
大崩山も含めてアルプス感ある山系だと思った。
下山の支度をしていたら一団が登ってきた。山中で唯一会った人達。
北谷登山口から祖母山山頂までコースタイム約3時間。
※ 残っていたメモを見ると9:50登山口発-11:50山頂着、12:40山頂発-14:30登山口着。健脚だったときのこと
道中危険箇所はなく、急-緩-急の登りやすいルート。一合目、二合目、……と標識もあるので、迷うこともなく次々目標にしながら登れる。