九州のほぼ中央。
大分、宮崎、熊本にまたがるエリア。
クマ(熊)がいないとされる九州で最後に確認された山域が祖母傾山系(祖母山~傾山)。
麓の高千穂峡や原尻の滝が有名。古い時代の阿蘇溶岩が浸食されるなどして独特の景観が造られた。
収穫の秋が終わって冬。(一般の)登山シーズンではないが、神々が舞い巡る夜神楽(よかぐら)の季節。
祖母山
野尻/津留
阿蘇・高森の東、熊本県最東端。
熊本・大分県境の越敷(こしき)岳
標高1061m。
北側の緩木神社から登山道。緩木山への登山道もあり。
祖母山へ至る縦走はマイナールートとのこと。
高千穂
宮崎には広く知られる高千穂が2つあり、
今回は高千穂峡がある北部の高千穂。
もう1つは高千穂峰。南部の霧島山。
どちらも神話の舞台で、大まかには、
後者がニニギノミコト(邇邇芸命)の天孫降臨、
北部の高千穂はアマテラス大神(天照大神)の岩戸隠れ
と関連づけられる。
高千穂駅
高千穂鉄道は2005年、台風で鉄橋が流されるなどして休止、復旧断念。そのまま廃止になった(2008年) →
休止後、高千穂あまてらす鉄道(amaterasu-railway.jp/)となって、トロッコ列車が高千穂駅から高千穂鉄橋まで往復している。
高千穂鉄橋
天岩戸駅の先、五ヶ瀬川支流の岩戸川に架かる
最高地点105m
近くの道路橋は雲海橋
かつて国鉄高千穂線(高千穂鉄道の前身)と国鉄高森線(南阿蘇鉄道の前身)を結ぶ予定で建設が進められていた。
未成線のトンネルが残っている。
高千穂駅の北、下野に「トンネルの駅(tonnerunoeki.com/)」がある。今は焼酎の貯蔵庫。
- 高千穂市街(高千穂駅、高千穂バスセンターなど) - 高千穂神社 - 高千穂峡
高千穂神社
高千穂の総社。高千穂は高智保とも。
日向三代の神々、神武天皇兄弟などが祀られている。
トヨタマビメ(豊玉姫)は神武天皇兄弟の祖母。対馬でも名前を耳にしました。ワニさん。
祖父は山幸彦。
ヒコホノニニギノミコト(日子番能邇邇芸命)・コノハナサクヤビメ(木花之佐久夜毘売)
- 山幸彦・トヨタマビメ
- ウガヤフキアエズノミコト(鵜葺草葺不合命)
が日向三代の神々。
神武天皇の兄のミケヌノミコト(御毛沼命)=ミケイリノミコト(三毛入野命)が祀ったことになっている。鬼八(きはち)退治伝説もある。
紀元前までは遡らない。
ましてや……。
高千穂峡
五ヶ瀬川の深い峡谷。
真名井の滝が流れ落ちている“幽谷”は特に有名。
ボートを漕いで近づくことができる。
左岸に遊歩道がある。
御橋(真名井の滝近く) … 神橋、高千穂大橋
訪れた時は台風の後で水位が高く、ボートはお休み。
遊歩道は歩くことができた。
御橋傍の御塩井(おしおい)駐車場から往復。
御橋傍に淡水魚水族館
食事処、茶屋など点在
道の駅高千穂/神都高千穂大橋
市街周辺
宮崎北部の高千穂にも天孫降臨伝承。
槵觸(くしふる)神社 ・・・ 市街東
国見ヶ丘 ・・・ 市街西
高千穂一とも言われる展望スポット
条件が揃えば雲海も見られる
国見ヶ丘の南方に二上山もある。
高千穂を逆さにすると穂千高。穂高っぽい。天とのつながりが連想される。
が、高千穂を含む祖母山周辺にはヘビの伝説もある。
岩戸 ・・・ 市街北東
岩戸川の川上。どこからも遠く、隠れ里。
天岩戸神社(amanoiwato-jinja.jp/)
東本宮と西本宮がある。
天安河原
岩戸に隠れてしまったアマテラス大神を外に出すため八百万の神々が集まったところ。
天岩戸の湯
町営。もう1つの町営の高千穂の湯は2021年閉館。
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岩戸の南西に天香山(あまのかぐやま)もある。
スサノオ神は「荒ぶる神」で、台風と関係ありそうだが、岩戸隠れは火山の噴火と関係ありそう。
土呂久(とろく)
岩戸の北
土呂久鉱山跡
2020年、環境復元対策事業完了。
1960年代まで砒素鉱石採掘。その後、健康被害が顕在化。1971年から鉱害防止対策・工事。2020年、工事完了。
秋元
町南部
南は諸塚山
秋元神社
五ヶ瀬川、高千穂峡のさらに川上に五ヶ瀬町。
高千穂の夜神楽(高千穂神楽)は11月-2月。
高千穂神社の神楽保存館では通年見られる。
祖母山~傾山
- 祖母山 - 障子岳 - 古祖母山 - 尾平越 - 本谷山 - 笠松山 - 九折越(つづらごし) - 傾山
祖母傾情報HP(www17.plala.or.jp/sobosanB/)
登山情報、気象、交通など
2023年時点、尾平鉱山~尾平越は通行止。
傾山
標高1605m。
主な登山口は、緒方駅から尾平(おびら)鉱山へ向かう途中の上畑。
- 上畑 - 九折鉱山[跡] - 三ツ尾 - 傾山
- 九折鉱山[跡] - 九折越 - 傾山
※ 九折鉱山[跡] = 豊栄鉱山
祖母山山頂から傾山
傾山の南方に大崩(おおくえ)山。
傾山の南は日之影町。
日之影温泉駅は温泉・宿として営業。
1987年11月、笠松山で捕獲した個体が九州最後のクマ。
この個体は本州(福井~岐阜)からの移入個体かその子孫とのこと(東日本グループ)。九州の野生の(可能性がある)クマは1957年が最後の目撃、最後の捕獲が1941年、とある。
※ 森林総合研究所のプレスリリース(2010年9月)参照。DNA解析の結果
九州の野生のクマは、2012年、環境省レッドリストで絶滅と明記。大分県では2001年。
緒方
大分県豊後大野市緒方町。
- 緒方駅 - 原尻の滝
原尻の滝/道の駅原尻の滝(www.ogatakanko.com/)
大分の、九州の、日本の、「東洋のナイアガラ」。
吊り橋(滝見橋)から滝を正面に見ることもできる。
滝などなさそうな平野(田園)にあるのも面白い。
祖母山登山の時に立ち寄った。もっと上流にあると思っていた。
来る途中、竹田の街で迷ったので、陽がだいぶ傾いて、店も閉まって、
誰もいない---
水量が少なかった---
滝の下(というか壁の下)まで歩いて、(脇の)壁を攀じ登り、夕涼みした。ある夏の日のひととき。
緒方チューリップ園
緒方宮迫東石仏/西石仏
美しい山並み(祖母・傾山系)も望める。
荒平の池
滞迫峡
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竹田
緒方の西は竹田(たけた)。
北西は久住(くじゅう)高原のエリア。
市南部の神原(こうばる)渓谷は祖母山登山口の1つ。
- 豊後竹田駅 - 大正公園 - 竹田市街 - 岡城
大正公園/願成院本堂(愛染堂)
竹田市城下町交流プラザ
2020年OPEN
竹田市歴史文化館・由学館
2020年OPEN。旧竹田市歴史資料館
旧竹田荘
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岡城
14世紀末から志賀氏(大友氏の支族)の居城。
16世紀後半、薩摩・島津氏と豊薩戦争。難攻不落の城。
16世紀末から中川氏。岡藩藩主。
伝承によると岡城の築城は緒方惟栄(これよし)。
『平家物語』では緒方維義として「緒環(おだまき)」、「太宰府落ち」に登場。平重盛の家臣だったが、『昔は昔、今は今』、平家を九州から追放した。
祖先は明神の化身たる大蛇で、九州の有力武士団が従った、とある。
祖先は大神(おおみわ)氏。古代の三輪山伝説を継いでいる。
祖母山の南の高千穂も中世、大神氏に連なる一族が治めていた。高知尾(たかちお)氏、三田井(みたい)氏。
竹田湧水群
阿蘇山系からの伏流水
河宇田湧水/中島公園河川プール
泉水湧水
など
明正井路 ・・・ 水路橋
その他 Link、
大分側は豊肥本線
緒方 - 朝地 - 豊後竹田 - 玉来 - 豊後荻
宮崎・高千穂側の公共交通は、
日豊本線 延岡~高千穂~南阿蘇鉄道 高森の間、長距離バス(宮崎交通、九州産交バス)。
延岡~高千穂は、九州中央自動車道および国道218号(R218)バイパス。
高千穂と大分側を結ぶ公共交通はない。
竹田市南部はバスから住民用の予約型乗合タクシー「カモシカ号」に変わっている。
登山者用に豊後竹田駅から祖母山登山口(神原)へ直行バス「カモシカ号 ユネスココース」が出ている。要予約。
越敷岳登山口へ直行するバスも
詳しくは竹田市バス路線 総合案内のHP(www.taketa-businfo.jp/)へ。
緒方駅から傾山登山口の上畑、祖母山登山口の尾平鉱山まで豊後大野市 コミュニティバス(長谷川線)が走っている。ただし、市HPを見ると平日の昼のみ。
2023年から土・日・祝日、豊後大野市 あいのりタクシー(祖母・傾線)が運行開始。要予約。
緒方駅 - 上畑、九折、尾平鉱山
Linkいろいろ
高千穂 Takachiho/豊後大野 Bungoono/竹田 Taketa