今年(2020年)はコロナウイルス世界席捲の1年だった。
当ブログも1月の「新型肺炎注意報」から始まって、今回で「その15」ないし「その17」。
世界の感染状況
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2月の時点でスマートなウイルスだと思ってはいたが、『世界人口の2/3が感染する可能性がある』という推測が当たりそうな勢い。
今冬は昨冬より悪くなるのが確実になってしまったので、結局ワクチン頼み。
ウイルスの変異
イギリス ロンドンを含む南東部で感染力の強い変異種(正しくは変異株)が現れたという知らせ。9月頃現れたらしい。
秋から日本含め世界各地で感染が再拡大しているので、感染力が強くなっていること自体驚きではないが、もっと感染力が強いようだ。南アフリカで現れた変異株も感染力が強いという。
ネクストストレイン Nextstrain(nextstrain.org)」の系統樹で、
20B/501Y.V1の枝がイギリスの変異株。
20C/501Y.V2の枝が南アフリカの変異株。
日本のデータは多くないが、秋以降、20Bの枝に散見。「欧州型」と呼ばれている一群からの派生。
▼ 国立感染症研究所 「新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム分子疫学調査(2020年10月26日現在)」のページから
昨冬、日本で最初に入ってきたウイルスが「チャイナ ブカン(武漢)型」で、今は消失。
3月-5月の「波」は、イタリアなどヨーロッパから世界中に拡がり、日本にも入ってきた「欧州型」。
いったん終息(収束)に向かっていった後のぶり返しの「波」(7月下旬-8月上旬がピーク)は、東京の新宿~池袋あたりからじわじわ拡がっていった。一部で「東京型」などと呼ばれているが、「欧州型」からの派生。
7月以降、日本で検出されている多くの検体は、2つの「欧州型」派生群に集約される、とのこと(上図赤色)。
細かな点までは分からない。
「欧州型」および日本でみられる「欧州型」派生群は、みなD614G変異。
ウイルスのS(スパイク蛋白質 Spike Protein)の翻訳アミノ酸配列 translationの614番目がD(アスパラギン酸)からG(グリシン)に変異したもの。
ネクストストレイン、アミノ酸配列については以前少しとりあげた。
変異速度は24.7[塩基変異/ゲノム/年]。
およそ1ヶ月で2塩基、およそ半月で1塩基が変わっている。
終息するまでコロコロ変わっていく。
系統が違うが、イギリスの変異株も南アフリカの変異株もN501Y変異。
ウイルスのS(スパイク蛋白質)のアミノ酸配列の501番目がN(アスパラギン)からY(チロシン)に変異。
異なる進化なのに同じように変異する---。
イギリスの変異株は、
実効再生産数を0.4以上増加させ、
感染力は最大7割増加(最大1.7倍)。
既にデンマーク、ベルギー、オランダ、イタリア、オーストラリアなどでも確認されている。
日本上陸も時間の問題だろう、と書こうとしたら早くも確認の知らせ。
12月24日以降、日本人帰国者以外イギリスからの入国停止が決まって、12月25日、空港(羽田と関空)にて複数の帰国者から初確認。
こりゃ、既に入り込んでいる可能性濃厚。
感染力が強いといっても従来どおり飛沫感染、エアロゾル感染まで。個人レベルでは対策強化しようがないから今までどおり。
これまでより子供が感染しやすくなると言われているので、子供から大人へ感染するパターンが増えそう。
病原性が高くなっているわけではなさそうだから、怖がりすぎる必要はないが、甘く見てもいけない。
日に日に感染者が増えて医療機関が逼迫してくると重症者・死者も増えてくる。
今月上旬、状況が悪かったのは大阪、北海道、愛知。なかでも大阪は、
GoogleのCOVID-19 感染予測
で年末1000人超になっていた。
あくまでも予測なので対策すれば食い止められる。今のところ。
本日の感染者数:大阪299人、愛知265人、北海道161人。
カウントダウンではなくカウントアップしているのが、
東京949人、神奈川480人、埼玉265人、千葉201人、……。
カントウダウン。ガーン。
政府は「勝負」に負け。TKO。
Go Toがウイルスを下支えして「行け」から「逝け」になり、
たたきあげの令和おじさんは袋だたき。
あらためてスマートなウイルスだと思う。