西之島は小笠原諸島・父島の西方約130kmに位置する孤島。
父島、母島は今は活火山ではなく、西之島から南が硫黄島に続く火山列(海底火山と火山島)。
先月(2020年6月)から噴火活動が活発化。
7月4日には噴煙高度8300m。
火口周辺警報(入山危険) --- 『山頂火口から概ね2.5kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石や溶岩流に警戒してください』
入山以前に入島できないところ。
変遷 -西之島から新西之島-
海上保安庁 海洋情報部(www1.kaiho.mlit.go.jp/)の写真を拝借して、以下に西之島の変遷について並べてみた。
1973年に噴火する前は、細長い小島。最高標高25m。面積0.07km2。
ただの小島ではなく海底火山の山頂。
1973年、島の南海上で噴火。西之島新島爆誕。
翌1974年にかけて噴火し続け、元の西之島と合体。(新)西之島誕生。私はリアルタイムでは知らない。
海岸が波で消えたり、湾が砂で埋もれて浜になったり、少しずつ姿を変えて、1990年までにおむすび形の(新)西之島になる。
池は湾の名残であった。
2007年の(新)西之島。最高標高25m。面積約0.3km2。
変遷 -新西之島から新々西之島-
2013年、(新)西之島の南海上で突如噴火。(新)西之島新島爆誕。
(新)西之島新島からの溶岩が北へ流れて、2014年、(新)西之島と合体。(新々)西之島誕生。
2015年にかけて噴火し続け、(新)西之島は溶岩に呑み込まれてしまった。南西の一部だけ周りと色が違うので残ったようだが、池は消滅。
2017年 空中写真(噴火開始時との比較)。
最高標高約150m。面積約2.8km2。
2013年から2015年および2018年の空中写真 →
※ 国土地理院 地理院タイル 西之島付近噴火活動より
今年(2020年)に入って……
同じ噴火口から噴火し続けている限り、島の面積がいつまでも増え続けることにはならないが、6月-7月の噴火によってさらに面積拡大。八丈小島ほどの大きさ。
『2019年12月の噴火再開前の火砕丘の高さを約160mと仮定した場合、2020年7月11日時点の火砕丘の高さは約200mと見積もられます』(気象庁)
2021年追記
2020年6月からの噴火は8月で沈静化。
山(火砕丘)の形が変わってしまった。
標高は約250mあるようだ。
JAMSTEC(海洋研究開発機構)のHP(www.jamstec.go.jp/verc/j/mv/nishinoshima.html)に興味深いことが書かれている。
- 『西之島は大陸生成の再現か』
- 『成長を続けた火山がその後、巨大噴火によりカルデラを形成した例が……』
2021年8月、約1年ぶりに噴火。
追)その後の変化
⇒ 国土地理院HP … 西之島のだいち2号SARデータ解析結果(2020年11月6日~)(www.gsi.go.jp/uchusokuchi/20201106nishinoshima.html)
追)2023年、小規模な噴火。