2023年9月、H2Aロケットで打上げられた日本の月面探査機 SLIM(スリム) Smart Lander for Investigating Moon。
ファン!ファン!JAXA! COUNTDOWN XRISM×SLIM(fanfun.jaxa.jp/countdown/xrism-slim/)
XRISMはX線天文衛星
月周回軌道まで順調。
ここまでは昨年(2023年)、ハクトも到達した。
月面へのソフト・ランディング(=軟着陸)は日本がまだ達成していない領域。
1月20日未明(0:20頃)着陸予定で、
成功願って眠りに就いた。
が、どういうわけか0:18に目が覚めたので、
ライブ配信を見た。
ダッシュボード画面が表示されていて、
SLIM降下中。
ダウン
ドキドキ
スルー?
Z=0(m)の下にめりこんだ?
画面に動きなく、
どうやら思い通りにいかなかったようだ。
ハード・ランディング(≒衝突)かな。
(ガーン~zzz)
変な夢を見た。
(貨物船2隻に追い詰められて逃げ場を失う夢)
翌朝、『成功』の知らせ。
太陽電池パネル(今回は薄膜シート)が使えない状態で、
内蔵の電池が使えるのは数時間だが、その間、正常に通信できたとのこと。
てっきり失敗したと思って寝込んだので、
ひとまず良かった。
▼ 理想
1度接地後、横に倒れ込むという「2段階着陸」は、
よく知らない人が映像見ると着地失敗したように見えてしまう。
JAXAのHPから図を拝借。
▼ 理想
今回のミッションは、平らでなくても降りたいところに降りる(誤差100m)、というピンポイント着陸達成が主な目標。「ムーン・スナイパー」。
画像照合航法。
斜面への軟着陸には「2段階着陸」が適しているとのこと。
転がりすぎたのか、
斜面の陰に入り込んでしまったのか、
上図の「理想」とは何かが違うのだろう。
続報待ち。
2機の小型プローブ(小型ローバー) LEV Lunar Excursion Vehicleは、SLIM着陸直前、正常に分離。通信確認できたらしい。
LEV-1
ホッピング(跳躍)移動
地球と直接通信
LEV-2(SORA-Q)
変形型ロボット
通信はLEV-1経由
LEV-1でSLIMを撮影できていたら良いのだが……。
一歩一歩着実に進展している。
月面着陸の大まかな歴史
月探査は、冷戦期、ソビエト連邦(ソ連)とアメリカの熾烈な競争で大きく進んだ。
(地球から見えない)月の裏側の探査・撮影、
月面到達・衝突、
そして月面軟着陸。
ソ連もアメリカも1966年初成功。
ソ連 ルナ9号
アメリカ サーベイヤー1号
1969年 アメリカ アポロ11号 人類初の月面着陸。
1972年 アメリカ アポロ17号
1976年 ソ連 ルナ24号
の後、21世紀まで長らく月面着陸なし。
参考)天文年鑑 / 誠文堂新光社
2013年 チャイナ ジョウガ(嫦娥)3号 月面着陸。3ヶ国目。
2019年 ジョウガ4号 月の裏側着陸(世界初)。
アメリカは火星探査に力入れているが、
「アポロ計画」以来の有人月探査「アルテミス計画」もスタート。
その1号機が2022年打上げ。日本の超小型探査機も2機相乗りして、うち「OMOTENASHI(オモテナシ)」が月面着陸目指したが、断念。高速回転しながら太陽へ。
昨年(2023年)ウサギの年4月、
ispace(アイスペース)社の「ハクト HAKUTO-R」に
日本初&民間初の月面着陸の機会到来。
しかし、ハード・ランディング。
2023年8月、
ロシア ルナ25号 半世紀ぶりの月面着陸なるか-
- ハード・ランディング。
インドのチャンドラヤーン3号が月面着陸成功。4ヶ国目。南極域着陸(世界初)。
今年(2024年)に入って、
アメリカ アストロボティック社 Astrobotic ペレグリン Peregrine打上げ。
こちらも半世紀ぶりの月面着陸目指したが、推進剤漏れで断念。
成功率5割未満。
日本のSLIM 月面軟着陸。5ヶ国目。
月に関するいろいろ
自転周期:27.3日 = 公転周期:27.3日。
地球から見る月はいつも同じ面(表側)。
月の半径:1738[km]。
大まかには地球の約2分の1が火星、その約2分の1が月
月の質量:地球の約81分の1
月の重力:1.6[m/s2] ・・・ 約1/6g(地球の重力加速度:9.8[m/s2]の約1/6)。
水の存在確認。
「かぐや」が見た月の地形の図が、
国土地理院 … 月の地形図のページ(www.gsi.go.jp/chirijoho/chirijoho41003.html)
にある。
※ JAXA かぐや(SELENE、セレーネ)(www.kaguya.jaxa.jp/) [2007-2009]
経度0°が月の表側 near side。
経度180°が月の裏側 far side。
SLIMの着陸地点は、「神酒(みき)の海 Mare Nectaris」。
おおよそ南緯10°-20°、東経30°-40°。
より正確には13.3°S、25.2°Eのシオリ(栞)・クレーター Shioli。直径300m弱。
「海」の西端にあるキリルス・クレーター Cyrillusの中。このクレーターは直径100km弱。
月-地球間平均距離:約38万4000[km]。
遠く離れているけれど
「海」は見える。
SLIM生きているか---。
月面の地図については、
追々。