軽石漂流も赤潮も海流が関係している。
衛星画像など見ていたら黒潮(日本海流)が描画されていた。
海上保安庁 海洋情報部(www1.kaiho.mlit.go.jp/) - 海洋速報&海流推測図 - 流軸数値・GIS情報
のページにシェープファイル Shapefile(とkmlファイル)があるので、ダウンロード。
QGIS(GISソフト)でGeoJSONファイルに変換してLeafletで描画。
黒潮などの描画 →
- 黒潮 k
- 日本海沿岸を流れる対馬暖流(対馬海流) ts
- 津軽海峡を経て流れる津軽暖流 tg
- 宗谷海峡を経て流れる宗谷暖流 so
の4ツ。
親潮(千島海流)、リマン海流は寒流。
青色実線は2015年4月海洋速報第81号から。
紫色点線は2021年12月3日海洋速報第226号から。津軽暖流の表現なし。
黒潮は西(南)から東(北)へ流れて、
千葉県房総半島の東方へ流れ去っていく(黒潮続流)。
黒潮の南方には東から西へ流れる黒潮反流もある。黒潮よりも弱い海流。
(幅のある)黒潮の最も流れの強い部分が黒潮流軸。
海流推測図には各海流の流速、黒潮流軸および対馬暖流の位置、親潮前線が記されている。
※ 距離の単位はカイリ(海里) [NM]
1[NM] = 1852[m]。緯度1分の長さ
下図は今年(2021年)10月15日海流推測図第41号。
四国沖の黒潮は2-4kn(3.7-7.4km/h ≒ 1-2m/s)。
※ 単位[kn]はノット knot。気象庁の海流図では[kt]
1[kn]=1カイリ(海里)毎時 [NM/h] = 1.852[km/h] = 0.5144[m/s]
ちなみに福徳岡ノ場から大東諸島、沖縄本島まで漂流した軽石は約2ヶ月で1000-1400kmなので、
≒ 1日20km前後 ≒ 0.23m/s = 0.45kn。
現況は水温海流合成図(表面水温図 + 海流推測図)が一目で把握しやすい。
日本近海の海流図は、
気象庁 - 各種データ・資料(www.jma.go.jp/jma/menu/menureport.html) - 海洋 海水温・海流 - 海流(50m深海流)
からも見られる。矢印(ベクトル)付き。
黒潮大蛇行
2015年(青色実線)と2021年(紫色実線)の黒潮は、四国~関東沖で随分違っている。
後者(現在)は大蛇行ルート。
四国~東海沖で南へ、特に紀伊半島沖で南へUーんと大きく蛇行している。
一方、前者は非大蛇行で伊豆諸島・八丈島の南を通るルート。
他にも非大蛇行で八丈島の北を通るルートがあるようだが、
大蛇行だから異常、非大蛇行だから正常、というものでもないらしい。
以前、黒潮大蛇行と聞くと異常という印象が強かったが、
現在の大蛇行は2017年8月から続いている。
4年も続くと異常と思っていたことが通常になり……。
2017年以前(1965年以降)の大蛇行は、
- 2004年7月-2005年8月
- 1989年12月-1990年12月
- 1986年12月-1988年7月
- 1981年11月-1984年5月
- 1975年8月-1980年3月 ・・・ 今のところ最長
※ 気象庁 - 各種データ・資料 - 海洋の健康診断表(www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/shindan/) - 総合診断表 - 2.2.2 黒潮
黒潮の大蛇行⇔非大蛇行のみならず、対馬暖流もうねうねしている。
蛇行と渦(うず)が関連し合っているとのことだが、ひとまずここまで。