今回は、以前描画した地球のプレート境界から日本列島周辺のみ抜き出してみた。
日本列島周辺のプレート
(USGSのデータファイルから)日本列島周辺のプレート描画 →
日本列島周辺は、大陸プレートの
・ ユーラシアプレート
・ 北米プレート
海洋プレートの
・ 太平洋プレート
・ フィリピン海プレート
の4プレートがひしめき合っている。
地球上そうそうないところ。
北海道~東北の太平洋の遠方は太平洋プレートで、
北米プレートとの境界が日本海溝。
北海道襟裳岬沖~千島列島沖は千島海溝。
やたら地震が多い。
南関東~九州、沖縄の太平洋の遥か遠方は太平洋プレートだが、手前にフィリピン海プレートがある。
両者の境界は伊豆・小笠原海溝。
フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界が、
琉球海溝、南海トラフ(日向灘~遠州灘)、駿河トラフ(遠州灘~駿河湾)。
フィリピン海プレートと北米プレートの境界が、
相模トラフ。
いずれも収束(沈み込み)境界 Convergent。
※ トラフ Troughは舟状海盆。細長い盆地で海溝ほど深くない
海溝はトレンチ Trench
千葉県房総半島沖にフィリピン海プレート、太平洋プレート、北米プレートの三重点がある。
相模トラフと駿河トラフの間の陸のプレート境界は、使用したUSGSのデータファイルだと伊豆半島を東西に横切っているが、今日たいていの図は伊豆半島の北へ食い込むように描かれている。
酒匂川/鮎沢川 - 富士山 - 富士川河口のライン。
神奈川県箱根はフィリピン海プレートの側。
富士山から富士川河口の詳細は分からないが、フィリピン海プレート、北米プレート、ユーラシアプレートの三重点はこのあたり。大雑把にみれば富士山。
北米プレートとユーラシアプレートの境界は、糸魚川-静岡構造線とみられているが、
※ 糸魚川-静岡構造線は、その東西で地質が大きく異なる断層。フォッサマグナの西縁
姫川が流れ込む日本海沿岸の新潟県糸魚川周辺はプレート境界ではないとのこと。
※ 産業技術総合研究所(産総研)(www.aist.go.jp/) 『日本を分断する糸魚川-静岡構造線最北部の謎が明らかに -新潟県南西部、「糸魚川」地域の5万分の1地質図幅を刊行-』
『「糸魚川」地域を含む最北部地域はプレート境界ではないことが明らかとなった』
糸魚川よりも東の信濃川(千曲川)で地震がたびたび起こっている。
フィリピン海プレート
太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込んで、
フィリピン海プレートがユーラシアプレート、北米プレートの下に沈み込んで、
海洋プレートと海洋プレートも沈み込み。太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に沈み込んでいる。
これら4プレートのうち一番小さいフィリピン海プレートが活発で複雑さに拍車をかけている印象。
東の伊豆・小笠原海溝では沈み込まれる側。
西の琉球海溝では沈み込む側。
しかし、タイワン(台湾)の南では海洋プレートのフィリピン海プレートのほうが大陸プレートのユーラシアプレートより上。
太平洋プレートは8~10[cm/年]で西へ移動し、フィリピン海プレートは3~5[cm/年]で北西へ移動している。
およそ500万年前、丹沢が南の海から移動して本州に衝突・付加し、およそ100万年前、伊豆が本州に衝突・付加した。
いずれも大陸プレートの下に沈み込めなかった付加体。
丹沢山地は今は北米プレート、昔はフィリピン海プレート。
プレート境界が南へ移った。
今のプレート境界は酒匂川、昔のプレート境界は相模川。
現在、フィリピン海プレートの移動方向は、北というより北西なので、これまた消化不良だったが、
およそ300万年前、フィリピン海プレートの移動方向が西寄りに変わったらしい。
また、この頃から本州が急激に隆起し始め、奥羽山脈や北アルプスなどが造られたという。大陸の端から移動している間はなだらかで、現在の日本列島の原型ができてから山岳化していった。
下図は、
産総研 『日本列島の地殻変動の謎を解明 -フィリピン海プレートの動きが東西短縮を引き起こす-』
から。
日本列島にかかる力。
日本海ではユーラシアプレートが北米プレートの下に沈み込もうとしているので、本州は東西から圧迫されて、山地は今も隆起し続けている。地震を伴って。
追)地震断層(活断層)にかかる力、歪(ひず)み集中帯