「日本書紀」編纂(720年)から1300周年記念の特別展。
展示される品々100超。うち古代の品々については結構写真で見たことがあるが、島根も奈良も近くないので、間近で見る機会はなかなかない。
行こう行こうと思っているうちに閉幕が迫ってきたので行ってみた。
※ 展示期間は1月15日-3月8日だったが、新型コロナウイルス感染防止のため2月26日で急遽閉幕。
場所は東京 上野公園 東京国立博物館(www.tnm.jp/) 平成館。
人混みだー。
でも聞くところによれば、空いているほう。
私もマスクマン。
黙ってジグザグに巡っていれば大丈夫---のはず。
「日本書紀」の写本からスタート。
出雲のエリア
昔、出雲大社で見た宇豆柱(うづばしら)。遠く離れた上野で再会。不思議な感じ。
隣に宇豆柱・心御柱(しんのみはしら)で建てられた巨大本殿(旧本殿)の復元模型(10分の1)。
出雲市 真名井遺跡出土の綺麗な勾玉。
一番のお目当てはパンフ表紙にもある銅鐸(どうたく)。
内側から音を鳴らしたり、眺めて拝むものだったり、諸説あるが、いかなる祀りだったのか未だ謎が多い。
土の下に眠っていたということがヒントだろうか。
雲南市加茂 加茂岩倉遺跡 史上最多の銅鐸39個出土(1996年)。
できれば音を鳴らして聴いてみたかった。
出雲市平田 猪目洞窟出土の南海産の貝輪。この洞窟は「黄泉の穴」。
出雲市斐川 荒神谷(こうじんだに)遺跡 史上最多の銅剣358本出土(1984年)。
358はなさそうだったが、ずらずら並べられていた。
この遺跡からは翌年(1985年)も銅矛、銅鐸が見つかって、「出雲王国」があった、「出雲王朝」があった、とか結構話題になっていたことを覚えている。
※ この発見前は近畿(≒大和)と九州が二大文化圏で、出雲は神話世界の域にとどまっていた。
近畿が銅鐸文化圏、九州が銅剣銅矛文化圏というくくりだった。
中世・近世の品々(太刀、手箱、屏風など)もあって既に頭の中はごちゃごちゃ。
大和のエリア
奈良県天理 黒塚古墳は被葬者が誰なのか気になる ”鏡塚” 。
三角縁(さんかくぶち)神獣鏡33面と画文帯(がもんたい)神獣鏡1面。
こちらもお目当ての1つだった。
謎解きの鍵を握っていそうな奈良県桜井 ホケノ山古墳。
出土した画文帯神獣鏡も展示されていた。
奈良県桜井 メスリ山古墳の円筒埴輪がかなり巨大で印象深かった。
葛城・巨勢の奈良県御所 宮山古墳(室大墓)から家形埴輪、靫(ゆぎ)形埴輪など。
奈良県五條 猫塚古墳から蒙古鉢形冑。
奈良県橿原 新沢千塚古墳群の古代ペルシャ由来のガラス碗・ガラス皿。
奈良県天理 石上神宮の七支刀(しちしとう)。
などなど。
第4章の仏像が並ぶ部屋に入るまでに頭の中飽和状態。
仏の世界は予備知識が足りていないので消化しきれず。
四天王に見下ろされ続けておしまい。
次回の特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」の予告も兼ねていた。
出雲 - 大和
出雲と大和は、
- 出雲 「幽」、祭祀の世界 - 大和 「顕」、政治の世界
という説明。
展示は、
- 出雲 弥生時代 - 大和 古墳時代
といった具合。
3世紀が境目。
私個人的に出雲と対比して見ているのは伊勢。
- 「祭」 出雲 地 - 伊勢 天
- 「政」 大和 天地
といった具合。
大和の中心が三輪山。
奈良、近畿のみならず古代日本全国のカンナビ山(神奈備山)が三輪山。
その麓にある奈良県桜井 箸墓(はしはか)古墳の内部を1月から透過力の強い宇宙線由来の素粒子・ミューオン(μ粒子)を計測して探査中、とのこと。
報道機関一律いちいち『卑弥呼(ひみこ)の墓との説がある』という類の枕詞がつく古墳だが、
被葬者は崇神天皇が相応しいと思う。
(私は邪馬台国九州説支持派)
1点1点が結構なお宝。
かなり欲張りな特別展だった。