IRの中のカジノ
IR Integrated Resort。
いわゆるカジノ Casino。
IRはカジノだけじゃない、
といっても参入業者はカジノ業者。
BSE、CSF、IR アイアール。
法令では特定複合観光施設区域。
2016年12月 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律（IR推進法） 成立
2018年７月 特定複合観光施設区域整備法（IR整備法） 成立
特区というのか脱法区というのか。
カジノを含む賭博（ギャンブル）は、社会に悪影響を及ぼすから長らく違法とされてきて、
それが今や経済成長の起爆剤扱いされているのだから、随分と世の中変質したものだ。
海外では120以上の国々で合法というから、日本でもできないことはないだろう。
だが、ターゲットが外国人で、多くの外国人にとってカジノは特別珍しいスポットではないわけだから、思惑どおり事が運ぶか不透明。
個人的にはカジノ自体大して関心ない。
ラス・ベガス、マカオが本場で、一攫千金夢見てルーレット、スロットマシン、……ぐらいのありきたりのイメージ。
昔（20年以上前）カジノという映画があった。
ラス・ベガスがギャング、詐欺師、泥棒、娼婦の集まる暗黒街だった頃（1970年代）のダークな映画。
『カジノの経営は、警備のない銀行で強盗をやるようなものだ。』
細かい内容は忘れた。シャロン・ストーン見たかっただけ。
1980年代以降、リゾート化してダークなイメージが薄れたが、色に例えるとライトグレー。
モナコやシンガポールは、カジノがあってもカジノの街というイメージはあまりない。
ギャンブル依存症とか
パチンコはどうなのかとか
風紀が悪くなるとか
実際のところよく分からないから個人的には賛成でも反対でもない。
ただ、IRが成長戦略の目玉とか、財政改善のために必要と言われると、
財源確保のために消費税増税が必要、と言うのと同じ類の方便に聞こえてくる。
行政に携わる人がギャンブル推進。
富裕層の向かうところギャンブル。
持続可能とは思えない。
外国人向けならば、クルーズ船の中にカジノがあるからカジノ船で十分ではなかろうか……。
そう考えるとカジノどうこうよりもシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズ（タワー３棟 ＋ 屋上が庭園）のようなランドマーク的建造物を造りたいだけなのかもしれない。
日本の候補地
飛びついた自治体のうち主な候補地は、以下７－８ヶ所。
- 東京23区
台場／青海
レインボーブリッジ
-
神奈川県横浜市
山下埠頭
横浜ベイブリッジ
- 愛知県常滑市
中部国際空港周辺
セントレア大橋
- 愛知県名古屋市も検討中
- 大阪府大阪市
夢洲（ゆめしま）
夢舞大橋
夢洲は、2025年、大阪万博開催予定地
-
和歌山県和歌山市
和歌山マリーナシティ
サンブリッジ／ムーンブリッジ
-
長崎県佐世保市
ハウステンボス
千葉県千葉市は、2020年１月、見送り表明
幕張新都心
みな海に面している。
橋の名は何となく……。
令和の出島の誕生か。
北海道は苫小牧など複数候補地があったが、断念。
自然保護かカジノか？ －－－ 愚問。
民意関係なく首長の意向次第でどちらにも転ぶ印象。
かなりトップダウン。
2021－2022年頃、最大で３ヶ所正式決定。
2020年代半ば頃、開業。
観光自体は奨励すべきことだと思うが、観光立国とか観光を柱とする成長戦略がトップダウンで前のめりに推し進められる間は、まだまだ狂っていきそう。
2020年は嵐の予感。
追）2021年８月以降
2020年の嵐は新型コロナウイルスだった。
あと自民党議員の逮捕。
2020年５月 アメリカ サンズ IR日本市場参入見送り。マリーナ・ベイ・サンズのサンズ。
2022年－2023年頃、最大で３ヶ所正式決定
IR業者の選定まで進んでいるのは、
和歌山県和歌山市 和歌山マリーナシティ
2021年選定 カナダ クレアベスト・グループ Clairvest Group
追）2022年４月、県議会で否決
長崎県佐世保市 ハウステンボス（の隣接地）
2021年選定（事実上） オーストリア国営 カジノ・オーストリア Casinos Austria
追）2022年４月、県議会で可決
2022年８月追）ハウステンボスが（エイチ・アイ・エス H.I.S.から）ホンコン（もうチャイナ）の投資会社へ売却されるという話が浮上。
追）2023年12月、国が不認可。
資金調達先の１つ（クレディ・スイス）が今年信用不安に陥ったことなど。
ハウステンボスは2022年からホンコン拠点の投資会社 PAG傘下。
あとは横浜と大阪が進めていたが、
横浜は市長交代で中止の見込み。
大阪府大阪市 夢洲
今のところ、アメリカ MGMリゾーツ・インターナショナル ＋ オリックス
追）2021年９月、正式に選定
ちなみに横浜は有力視されていたサンズが撤退して、
ゲンティン・シンガポール（親会社はマレーシア ゲンティン） ＋ セガサミーホールディングス
か
ホンコン（もうチャイナ） メルコリゾーツ＆エンターテインメント
のどちらかが選ばれる予定だった。
外国人誘致ならば、横浜の場合、羽田空港の国際空港化でプラスになっている。
2022年８月追）結局、申請したのは大阪、長崎の２ヶ所のみ。
追）大阪は2023年、国が認可。開業目標は2030年頃。
長崎は2023年12月、国が不認可。
