1995年(平成7年)1月17日 阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)。
30年経った。20代の人は当然リアルで知らない。
30年前は私も学生。
地震発生は早朝5時46分だが、大地震・大災害と知ったのは登校後だった。先生(教授)の機嫌が大変悪かった。帰りに立ち寄ったデンキ店のテレビであらためて深刻な事態だと認識するに至った。
今だったらもっと早く知ることができるが、大災害の被害全貌は昔も今もすぐには分からない。
昨年(2024年)の今頃、『日本の過去半世紀の大地震』を検索してみたが、1950年代以降1993年まで震度6以上の大地震は少ない。西日本では阪神・淡路大震災までなかった。
震度7は1949年から導入なので「初めての震度7」。
それまでは震度7相当の地震でも震度6が最大の階級。
マグニチュード7.3。
以降発生した大地震で、エネルギーが阪神・淡路大震災の○○倍と引き合いに出される。モーメント・マグニチュード Mw 6.9が使われていることもある。
阪神(神戸など)・淡路
震源位置は淡路島北部の明石海峡
震源の深さ約16km
活断層で起こった内陸型(直下型)地震
北東から南西にかけて六甲・淡路島断層帯
横ずれ主体で、逆断層成分(縦ずれ・圧縮)伴う
兵庫県淡路市 北淡震災記念公園(www.nojima-danso.co.jp/)
野島断層保存館
六甲・淡路島断層帯の一部。淡路島北部(淡路市)の活断層。大地震で地表に露出
▼ 気象庁 「阪神・淡路大震災」特設サイトから震央分布図
気象庁 「阪神・淡路大震災」特設サイト(www.data.jma.go.jp/eqev/data/1995_01_17_hyogonanbu/)
犠牲者6400人超
神戸市4500人超、西宮市1100人超、芦屋市、宝塚市、
尼崎市、北淡町(現・淡路市)、伊丹市、一宮町(現・淡路市)、明石市、
津名町(現・淡路市)、洲本市、川西市、三木市
強く印象に残っているのは、
・ 横倒しになった高架(阪神高速)
部分的ではなく連続的に橋脚が倒れた
せん断破壊、軸方向鉄筋破断
▼ 1996年発行の道路地図(アルプス社 アトラスRD近畿)から
緑色の阪神高速神戸線はほぼ全線(摩耶~生田川以外)通行止(×マーク)。図の外、西は須磨まで、東は西宮・武庫川まで×マーク
高架から落ちそうになったバスも衝撃の一場面だった
・ 広範囲で家屋・ビル倒壊
全壊・半壊約25万棟
犠牲者の7割~8割が家屋倒壊などによる圧死
4000人~5000人。下記のデータだと約4000人
・ 大規模火災
神戸市長田区で壊滅的被害
昨年(2024年)、新長田地区の復興事業(再開発)完了というニュース
実物大(18m)鉄人28号が復興のシンボル
巨大開発赤字、商店街賑わいが戻らず、とうまくいっていないようだが、プラスに向かっていってほしい
以下にデータ、写真など。
- 阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター DRI(www.dri.ne.jp/)
神戸市中央区 脇浜海岸通
春日野道駅の南
阪神・淡路大震災 ~創造的復興の歩み~(17jan1995.jp/jp/)
阪神・淡路大震災以降、
2004年 新潟中越地震
2011年 東日本大震災
2016年 熊本大地震 ・・・ 2回連続震度7
2018年 北海道胆振大地震
昨年(2024年)正月の能登半島地震
と震度7は6回発生。
大きな被害が出ているが、阪神・淡路大震災の教訓が生かされて助かっている面もある。
住宅の耐震基準は
1981年に新耐震基準
2000年に耐震基準改正(強化)
で、新しいほど倒壊しにくい。
阪神・淡路大震災も新耐震基準の住宅は旧耐震基準の住宅より耐えた。
分かっていても容易に更新できるものではないが。
木造住宅より強固な鉄筋コンクリート造(RC造)のビルディングも損壊。割合としては少ないので、RC造自体が弱いわけではないが、神戸市庁舎など途中階が潰れてしまったビルもある。
倒壊したビルの中には身内の人勤務の会社が建てたものもあった。早う片付けるよう動員かかって撤去しに行ったとのことだが、
阪神・淡路大震災以降、耐震から免震のビルが増えていった。
1995年は地下鉄サリン事件も起きて物騒な年だったが、オリックス(当時はブルーウェーブ)が「がんばろう神戸」で初V。被災者の癒しになった。
グリーンスタジアム神戸でのイチロー選手のサヨナラ打Vは翌1996年。メークドラマの巨人を倒して日本一。
西宮市を本拠地とする阪神タイガースは……
ああ、30年経つのか……
阪神・淡路大震災の後も西日本は大地震が起こりにくいところと思っていたが、熊本大地震の後は、むしろ西日本のほうが大地震多いような印象。
このところ日向灘の地震も気になる。
遡ってみると日本全国大地震起きないところはほとんどない。
建築物にかかる荷重のうち地震力を求めるのに用いられる地震地域係数は、依然西日本が低く設定されたまま。実状と合っていないが、見直しの動きあり。
昨年(2024年)の筑波大学の研究成果『有馬温泉直下の地下深部洪水が阪神淡路大震災を引き起こした可能性を発見』(www.tsukuba.ac.jp/journal/biology-environment/20240902180000.html)によると
大震災の前年(1994年)にフィリピン海プレート由来の水が有馬温泉の地下深部で増加していた。
※ 有馬温泉は六甲山の北
1994年、震源域北東で地震活動活発化
活断層があるのはユーラシアプレート内だが、その下に(南海トラフから)フィリピン海プレートが潜り込んでいて、有馬温泉直下では深さ60km超にフィリピン海プレート
『大地震はいつでも、どこでも発生するわけではなく、プレート由来水の洪水が発生した後、その場所の近隣で、特に発生確率が高いと予想されます』とのこと。
興味深い。
とはいえ、何日何時どこで起きるか分からない。
まずは揺れがおさまった時、身動き可能でありたい。