八の字型の独立峰・富士山。
大山・丹沢など神奈川から見ると左(南)の肩がカクカクと折れている。
ソコが宝永山。
▼ 神奈川最西端近くの明神山(鉄砲木ノ頭)から見た富士山
富士山の直近(最後)の噴火が江戸時代・1707年(宝永4年)の宝永噴火で、この時生まれた側火山が宝永山。
富士山の噴火は、山頂から噴火する姿をイメージしがちだが、文献記録に残る噴火は山腹からの噴火。
水ヶ塚公園など南側の富士裾野から宝永噴火の火口を望むことができる。
宝永[第1]火口は山頂火口よりも大きい。
宝永山の東が静岡・御殿場口、西が富士宮口。
富士宮口~宝永火口
富士宮口5合目から宝永火口の縁まではハイキング感覚で行って戻ってくることができる。
周回も可能。コースタイムは70分前後。
- 富士宮口6合目 - 宝永第1火口縁
- 富士宮口5合目 - 宝永第2火口縁 - 宝永第1火口縁
富士山5合目、6合目界隈は登山シーズン以外も散策できる。
訪れたのは(昔の)6月。
▼ 火口縁付近から富士宮口6合目方向
▼ 火口縁から宝永[第1]火口
火口の向こう側へ一筋の道が延びていて、
気持ち良く駆け上がれそうに見えた……。
▼ 赤肌の宝永山。標高2693m
富士宮口5合目は標高約2400m、火口底は2420m。
火口底にはベンチがあって、異世界に来たような感覚に浸りながらグダグダ休める。
火山ガスもないし、噴火しそうな気配は微塵も感じられなかった。
ただ、富士山頂方向の火口壁から頻繁に石がカランコロン音を立てて落ちていた。
遊歩道・山道は離れているので安全。
宝永火口~宝永山
火口底から先の登りは……
容易ではなかった。
罠(トラップ)に嵌った感じ。アリ地獄。
砂礫の斜面で、
一歩進んでは半歩戻るといったアリ様。
ジグザグ歩けば、少し楽に歩けるが、
思ったように進まず、
キツい。
頑張って登り詰めると[宝永山]馬の背。
火口底から登り60分、下り30分。
下りは楽。
▼ 馬の背から富士山頂方向
まだ雪山。
▼ 宝永山山頂まであと少し
あと10分たらず。
だが、馬の背に上がった途端メチャ強風。
吹きっぱなしではないので、吹き止んだと思って進むと、次の瞬間ゴゴーと猛烈な風が吹き抜けていく。
山頂目前で立っていられなくなった。
うわ~ん
撤退!
▼ 強風でも飛ばされないカメムシ
でもたぶん風で運ばれてきたのだろう。
図鑑で調べてみるとハサミツノカメムシが近そう。
富士登山オフィシャルサイトの富士山日記(第112号)に載っているヒメハサミツノカメムシと符合。富士山頂にもいるのか---。
尻にハサミがあるのがオスで、ハサミツノカメムシはハサミが平行、ヒメ~はハサミがハの字とのこと。
火口縁の内側下にもう一筋道があったが、諦めた。
この馬の背経由の富士宮口~御殿場口ルートは、富士山山腹を巡る御中道の一部。
また、今上天皇が皇太子時代、この富士宮口~宝永火口ルートを経て、御殿場ルート6合目から富士山登頂を果たしているので(赤岩八合館泊、御殿場口新5合目へ下山とのこと)、「プリンスルート」という名もある。
- 宝永第1火口縁 - 宝永第1火口[底] - 馬の背 - 宝永山
- 馬の背 - 下り(砂走り)6合 - 御殿場口6合目
第2火口・第3火口
第1火口があるなら第2もある。
▼ 第1火口の下の宝永第2火口
さらにその下に第3火口もある。地図で御殿庭(ごてんにわ)と記されているところ。火口の中を歩くルートがある。
さらにその下方は水ヶ塚公園。須山口(須走口ではない)というルート。
御殿場口からの周回も可能。