前々回の続き。
地震発生から10日以上経過。
72時間過ぎてから救出された人も多々いて、中には200時間以上経過後に救出された人もいたが、
犠牲者は現時点で4万5000人を超えてしまった(トルコ約4万人、シリア約5000人)。
Sentinel Asia(センチネル・アジア)のHPに被災地の衛星写真(sentinel-asia.org/EO/2023/article20230206TR.html)がある。
ALOS-2 = だいち2号。
地震の前(ビフォー)と後(アフター)の変化。
広域を面的に捉えた干渉SAR InSARの図もある。
地震前後の変化大 ⇒ 損害大 High damage。
Tabriz-U, Gebze Tech, and Tokyo TechののInSAR map(ESA Sentinel-1衛星)を見ると
- カフラマンマラシュ[市街]とその東、南東
東、南東はパザルジュク、ナルル - エルビスタン
M7.5震源地断層(チャルダク断層)の北
カフラマンマラシュ県最大の都市 - イスケンデルン
- ハタイ(アンタキア)
で赤色(High damage)が目立っている。
チャルダク断層から西の遠方も少し赤味がかっているように見える。
断層(活断層)の直上は頑丈な建物でもなかなか耐え難い。
トルコも日本同様地震多発国なので防災意識は決して低くなかったと思うが、今回、被災地では中層のビルが良くない崩れ方をしていた。
※ 層崩壊 = 「パンケーキ・クラッシュ」
分かっていても既存の建物・都市の更新は容易ではない。
過去の地震データベース
日本の気象庁やUSGS(アメリカ地質調査所)の他にも
アメリカNOAA(国立海洋大気庁)のHPに地震のデータベースがあったので、検索してみた。
NOAA NCEI/WDS Global Significant Earthquake Database(www.ngdc.noaa.gov/hazel/view/hazards/earthquake/search)
※ NCEI National Centers for Environmental Information/WDS World Data Service
紀元前2150年から現在まで
Year >= 1950
Total Deaths >= 30000
で検索 Search
年 | 発生箇所 | Mag | 犠牲者数 |
2010年 | ハイチ大地震 | 7 | 31万6000 |
2008年 | チャイナ 四川大地震 | 7.9 | 87652 |
2005年 | パキスタン北部大地震 | 7.6 | 76213 |
2004年 | インドネシア スマトラ島沖大地震/大津波 | 9.1 | 22万7899 |
2003年 | イラン バム大地震 | 6.6 | 31000 |
1990年 | イラン北西部 ルードバール大地震 | 7.3 | 40000 |
1976年 | チャイナ河北 トウザン(唐山)大地震 | 7.5 | 24万2769 |
1970年 | ペルー アンカシュ大地震 | 7.9 | 66794 |
犠牲者数は報道によって違っていることもある。
ハイチ大地震は20万人以上とされているが、上のデータベースによると30万人以上。
スマトラ沖大地震の犠牲者は多くが大津波による。
2011年の東日本大震災も大津波による犠牲者が大半を占めた。
地震・津波による犠牲者18000人超。
+ 震災関連死で22000人超。
大震災は後々尾を引く。
今回の大地震は内陸直下型でM7.5以上が連続。2016年に連続で震度7を記録した熊本[・大分]大地震を思い起こさせるが、
多大な犠牲者(6434人)を出した1995年の阪神・淡路大震災(M7.3)と比べてエネルギーが約22倍などと報じられていた。
以前こちらのページにもまとめたとおり、
・ 1.5M + 4.8 = log10 E [J]
・ Mが1大きくなると101.5倍(約31.6倍)
M7.8のときE=3.16×1016[J]=31.6[PJ(ペタジュール)]
M7.3のときE=5.62×1015[J]=5.6[PJ]
で、(31.6/5.6)=5.6倍。
合わなくて困る。
モーメント・マグニチュード Mwだと阪神・淡路大震災は6.9のようです。上のNOAAのデータベースによるとMag=6.9になっている。
M6.9のときE=1.41×1015[J]=1.4[PJ]
M7.8とM6.9のエネルギー比は、(31.6/1.41)=22.4
もしくは101.5×0.9=22.4
仮に7.0ならば、
101.5×0.8=15.8