2月6日 トルコ(トゥルキエ)南部、シリア北西部で大地震発生。
マグニチュード7.8(M7.8)。震源は内陸、ガジアンテプ。震源の深さ17.9km。
第一報を目にした時点で大震災がちらついたが、やはり大震災。
ビルの崩れ方が良くないのと発生時間が未明のため、避難できない人がたくさんいたと思う。最初は犠牲者の数500人以上と報じられていたが、実際は桁が違うだろうと思った。
約9時間後、ガジアンテプの北のカフラマンマラシュでM7.5の余震。震源の深さ10km。
発生から2日経って、犠牲者は1万人を超えてしまった。
厳寒期と重なり、現時点で2万人を超えている。
追)M7.8の後のM7.5の地震は余震というか誘発(された別の)地震
地震発生から1週間経過して犠牲者4万人超
下のページに続き。
過去の大地震、プレート
トルコは地震多発国。
西部のほうが活発で、北アナトリア断層が危険視されていたが、
この断層は東西横断しているので、
東部でも大地震は起こっている。
ただ、大地震の震源は1939年の大地震以降、北アナトリア断層の東から西へとだんだん移ってきていたのと
今回の東アナトリア断層ではM7以上の大地震が長らく起こっていなかったので、
西部に比べると備えが足りず、大きな被害が出ている。
トルコは北アナトリア断層で(日本列島にも掛かっている)ユーラシアプレートとアナトリアプレートに分けられている。
上の図にはないが、アナトリアプレートの西にエーゲ海プレートがある。
地中海から南がアフリカプレート。
シリアから南、アラビア半島を囲むようにアラビアプレート。
アラビアプレートとアナトリアプレートの境界が東アナトリア断層。
北アナトリア断層、東アナトリア断層ともに横ずれ(平行移動) Transformの断層。
下は以前まとめた「地球のプレートについて」。
過去の主な大地震は、
- 2020年10月 エーゲ海地震 M7.0
イズミル、ギリシャのサモス島で被害。津波も発生 - 2011年10月 東部地震 M7.2
バン(ワン)、エルジシュで被害 - 1999年 コジャエリ(イズミット)地震 M7.6
マルマラ海で津波が発生
死者約17000人 - 1939年 エルジンジャン地震 M7.8
エルジンジャンは北アナトリア断層の東
死者3万人超
2020年のエーゲ海地震の後のJAMSTECのコラム 「トルコ沿岸での地震の背景 ~防災意識向上への取り組み~」(www.jamstec.go.jp/j/pr/topics/column-20201105/)にトルコ周辺のプレートの動きの説明がある。
今回は東アナトリア断層の近く。
近年、2020年1月にM6.7の地震が起こっているが、
M7以上の大地震は1822年(M7.4)以来とのこと。
JAMSTECのコラム 「2023年2月6日にトルコ南部で発生した地震」(www.jamstec.go.jp/j/pr/topics/column-20230208/)
に東アナトリア断層の説明がある。
過去の地震については、USGS Earthquake Hazards Program(earthquake.usgs.gov/)のSearch Earthquake Catalogからも調べられる。
トルコとシリアを含む範囲で、1901年以降のマグニチュード7以上(M7+)の震源を検索(プロット)してみた。
以前とりあげたことがあるサイト。
データをダウンロードしてプロット(使い回し)。
トルコの過去100年間のM7以上の地震分布 + プレート →
シリアはM7以上のプロットなし。M6以上も内陸の震源はない。
だが、1822年の大地震で被災している。
シリア北西部は内戦で荒廃して、今もシリア政府、反政府勢力、過激派組織など割拠状態。アレッポの西と北のトルコ国境地域(イドリブなど)はシリア政府からの支援はなかなか届かないとみられ、トルコ経由で国連が救援。2月9日、救援物資到着。
日本も今年(2023年)は関東大震災(1923年)から100年。
巨大地震は、来ないでほしいが、いつか来る。
いつ来るかという予想や予兆の研究も重要だと思うが、
たとえ100年200年大地震が起きていない所でも過去起きている所では、起こること前提に、いつ来ても対処できるよう備えて、被害を最小限に抑える必要がある。