近頃その名を見かけることがぐーんと増えたペロブスカイト。
ペロブスカイト(ペロブスキー石) Perovskite、またの名は灰チタン石 CaTiO3。
産業技術総合研究所(産総研)HP … IFMRI 極限機能材料研究部門 … 結晶構造ギャラリー(unit.aist.go.jp/ifm-ri/ja/groups/db-nomura/crystal_gallery.html)にて
様々な物質・鉱物の結晶構造図がみられる。
ペロブスカイトは「5.元素・化合物・鉱物など」の下のほうにある。
鉄 Fe、アルミニウム Al、岩塩(塩化ナトリウム) NaClの結晶格子は、高校化学の始めのほうに出てきたような記憶。
▼ ペロブスカイト結晶
複雑。
ちなみに
珪素(シリコン)はダイヤモンド型結晶。
▼ ダイヤモンド C
追)CIFファイル + VESTA(フリーソフトウェア)について
ペロブスカイト太陽電池
ペロブスカイトなどペロブスカイト型結晶構造の化合物は、
強誘電性を示し、
光吸収率が高い。
⇒ 太陽電池に利用。ペロブスカイト太陽電池 PSC Perovskite Solar Cell。
2009年に宮坂力氏が論文発表。2012年にペロブスカイト太陽電池発表。
桐蔭横浜大学特任教授、ペクセル・テクノロジーズ社
光吸収層(ペロブスカイト層)で発電、両側にp(+ 正極)とn(- 負極)。
太陽光入射側に透明電極。
ペロブスカイト層は、(ペロブスカイトではなく)ペロブスカイト型のヨウ化メチルアンモニウム鉛 CH3NH3PbI3。
※ ペロブスカイト型 ABX3
B中心、X頂点の8面体
ペロブスカイト(灰チタン石)はCaTiO3
光 ⇒ 電気のエネルギー変換効率は、開発当初数%。今は25%超。現在主流のシリコン太陽電池並み。
2023年2月、東急田園都市線 青葉台駅で展示されていたので立ち寄って触れた。
・ ぺらぺら。フレキシブル(曲げられる)。
軽いので壁面にも取り付けられる。
『買い物袋のような薄いフィルムも太陽電池になる』とのこと。
・ 低照度の室内でも発電できる。
フレキシブルで変換効率の高い太陽電池は他にもあるが、
ペロブスカイト太陽電池は、
・ 薄いフィルムに直接塗布・印刷できて、
・ 100℃程度の低温で製造できる。
従来より安価。
原料のヨウ素は国内で生産できてレアメタル不使用。
また、
『カラフルな太陽電池ができるかも』。
・ セルからモジュールへ大型化すると変換効率が低下する
・ 耐久性が低い
・ 鉛 Pbが使われている
といった課題もあるので、まだ発展途上だが、着実に実用化に近づいて
近頃話題にのぼることがぐーんと増えた。
・ 各地で実証実験のニュース
参考)資源エネルギー庁HPの2024-02-16の記事(www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/perovskite_solar_cell_02.html)
『2030年の社会実装を目指す』とのこと
・ 首相、2025年の実用化を目指す---
いつの日か、明るい未来
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