2024年ノーベル賞週間

NATURE(自然)

 今年(2024年)も9月は暑かった。
 10月に入ってようやく秋到来。心配していた大型台風の直撃はなさそう。

 世界中天災・人災多い。+政治混迷。
 いよいよ世界は……

 2024年のノーベル賞受賞テーマは、
 生理学・医学 --- マイクロRNA
 物理学 --- ニューラル・ネットワーク
 化学 --- コンピューターによる蛋白質の設計、構造予測

 AI AI……

 2023年はmRNAワクチン、量子ドットなど。

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物理

 昨年(2023年)からChatGPTなどAI(人工知能)の話題が非常に増えたが、その基盤となる機械学習の分野から。
 [人工]ニューラル・ネットワークの基礎を築いたホップフィールド氏と、その発展、深層学習(ディープ・ラーニング)モデル生みの親の1人・ヒントン氏が受賞。

 ニューラル・ネットワークは脳の神経回路を模したネットワーク・モデル。

 例)R言語のneuralnetのExamplesから

 入力データが中間層(隠れ層)で演算処理されて、予測値が出力される。
 ノード(上の図の○)が脳内のニューロン(神経細胞)を模したもの。

 中間層を2層、3層、……に増やして予測精度を向上させたモデルが深層学習(ディープ・ラーニング)。
 計算量が増えるのでGPU搭載の高性能マシンが必要になる。
 GPUメーカーのNVIDIA(エヌディビア)株が高騰、AIバブル。
 マシンが自己学習するようになる。
 AIの予測 > 人間の予測。

 ヒントン氏は昨年(2023年)までGoogle社に在籍。
 AIの危険性について発信している。

 物理学のイメージから離れている感もあるが、複雑系の統計物理学の延長上。

 1990年代、『認知科学選書』というシリーズ(全24巻)があった。今は『コレクション認知科学』東京大学出版会(全12巻)になっていて、
 ・ 神経回路網モデルとコネクショニズム 甘利俊一
 ・ 心の計算理論 往住彰文
 が、関連本。

 それから20年。
 AI人型ロボット登場。

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化学

 化学賞もコンピューター、AI絡み。

 ベイカー氏はRosetta(ロゼッタ)というソフトウェアを開発。それまでに蓄積された蛋白質の構造データを基に計算的に新しい蛋白質を設計(デザイン)。人工蛋白質の設計。

 ハサビス氏、ジャンパー氏は、Google DeepMind(ディープマインド)社。アミノ酸の配列から計算的に蛋白質の構造を予測するAlphaFold(アルファフォールド)を開発。機械学習が使われている。

 ※ 蛋白質の構造はリボンのような立体構造
   アミノ酸が[ペプチド]結合
   Foldは「折り畳み」

 詳細は、
 Chem-Station(ケムステ)の記事(www.chem-station.com/blog/2024/10/nobel2024.html)
 など。

 2010年代、世界のトップ棋士との対局で話題になった囲碁AI AlphaGo(アルファ碁)がGoogle DeepMind社。機械学習が使われていて、その後、AlphaFoldが開発された。

生理学・医学

 生理学・医学賞はマイクロRNA microRNA、miRNA
を発見したアンブロス氏、ラブカン氏が受賞。
 2年連続でRNA。

 miRNAは多くの生物に備わっているRNAサイレンシング(RNA干渉 RNA interference RNAi)と呼ばれるシステムに関わっている。
 細胞内で遺伝子から蛋白質が作られる過程(DNA ⇒ mRNA ⇒ 蛋白質)すなわち遺伝子の発現は多いほど良いというわけでもなく抑えることも必要で、
 その抑える役割(制御する役割)を果たしているのがmiRNA。
 20-25塩基程度で蛋白質合成には関わらない。
  発見当初はごみのようなものと思われていた。
 siRNA(短い干渉RNA small interfering RNA)も同様の役割。

 RNAサイレンシングは植物で発見。
 miRNAは線虫から発見。

 血液中・尿中のmiRNAから癌(がん)を早期発見できる、ということで、近年見聞きすることも多くなった。

 詳細は、
 Science Portal
 など。

 ノーベル平和賞は日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)。
 日本の受賞は非核三原則提唱の佐藤首相(1974年)以来50年ぶり。兄は岸首相。

 核兵器が再び使われぬよう活動する人達。
 核兵器をちらつかせて脅かす野郎ども。

 AI 核兵器……人類どうなる?どうする?

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ふシゼン
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