今年(2023年)10月は台風の上陸なしで済んだ。
台風15号は猛烈な勢力に発達したが、東方に逸れてくれた。
今年はアメリカやメキシコの太平洋岸にハリケーンが上陸。先日メキシコに上陸したハリケーンは1日足らずで猛烈な勢力に急発達した。
いろいろレッドな10月おしまい。
難に遭うか遭わないかは割と運次第。
10月上旬、津波注意報が出た。
10月5日、鳥島近海でマグニチュード6.5(M6.5)の地震。震源の深さ17km。八丈島で30cmの津波観測。
10月9日、広い範囲で津波観測。八丈島:60cm、神津島:50cm、三宅島:50cmなど。
9日の地震はマグニチュード不明。小さな地震で、通常ならば津波が起きない規模。
「普通の地震ではない」---
地震の波形がP波、S波はっきりせず、
T波。
小さな地震が繰り返し発生して波が増幅したとのこと。
10日以降、地震活動は低下。
震源は鳥島南西約100km。地図を見るとソーフ岩(孀婦岩)の西方。
- 気象庁 報道発表資料 … 令和5年10月
- 産業技術総合研究所 地質調査総合センター … 地震・津波研究情報 - 令和5年(2023年)10月鳥島近海の地震に関する情報(www.gsj.jp/hazards/earthquake/torishima2023/)
鳥島、ソーフ岩で異常は見られず。
10月20日、鳥島の西方約50kmで軽石とみられる浮遊物確認。
変色水域は見られず。
場所は特定できていないが、鳥島~ソーフ岩周辺の海域で新たな海底火山の活動が起きている可能性大。
鳥島、ソーフ岩など
八丈島・青ヶ島よりも南に点在している島々のページ。
伊豆諸島南方、時折、豆南(ずなん)諸島という呼称も見かける。
みな無人でなかなか行けないエリア。
(小笠原諸島往来の)おがさわら丸も通常、夜間通る。
特別なクルーズに乗り込むか、地質学者・火山学者はたまた鳥類学者になるか、海上保安庁へ入るか……。
海上保安庁 海洋情報部(www1.kaiho.mlit.go.jp/) - 海域火山データベース
から写真を拝借。
鳥島(とりしま)全景
鳥島は八丈島・青ヶ島と小笠原諸島の真ん中あたりに位置する孤島。
同じ伊豆諸島の利島よりもやや大きい。
活火山島で、今は無人島。
1902年の大噴火で大きな被害を出している。上の写真の上が島北部の千歳浦。
硫黄山の標高は394m。直近の噴火は2002年。
鳥島は、19世紀半ば、ジョン万次郎が土佐から流されて漂着したことでも知られる。アメリカの捕鯨船に救助された。
今はアホウドリの一大繁殖地。
島南部の燕崎が最大の繁殖地。絶滅に近い状況から順調に数を増やして、その上の子持山でも繁殖。
島西部の初寝崎も繁殖地。
初寝崎は1965年まで気象観測所があったところ。上の写真の左。
アホウドリのページ 山階鳥類研究所 - アホウドリ 復活への展望(www.yamashina.or.jp/hp/yomimono/albatross/ahou_mokuji.html)
海上保安庁HPの写真より、鳥島南方のソーフ岩(孀婦岩)
「烏帽子岩」が海上に突き出ている。高さ約100mの「タワー」。
ソーフ岩から南は七曜海山(日曜海山~土曜海山)。
頂部水深は600m以深。
土曜海山の南が西之島。
八丈島・青ヶ島~鳥島~西之島、火山列島(硫黄列島)が伊豆・小笠原弧の活火山列。
父島・母島の小笠原諸島は、この列から東に100km超外れていて、火山活動は大昔。
鳥島から北方、青ヶ島との間にも島がある。
・ 須美寿島(スミス島)
小島だが、高さ100m以上ある。
・ ベヨネース列岩
岩々が僅かに海上に出ている。
明神礁カルデラの一部(西部)。
かつて高さ100mの新島が現れたこともある。
1952年に大爆発。大きな被害を出している。
以上、ベヨネース列岩、須美寿島、鳥島、ソーフ岩は、東京都だが、どの市町村にも属していない。