2024年1月1日 マグニチュード7.6(M7.6)、震度7。
前年(2023年)5月5日 M6.5、震度6強。
M7.6のときエネルギー E=1.58×1016[J]=15.8[PJ(ペタジュール)]。
M6.5のときE=3.55×1014[J]=0.36[PJ]。
約45倍。
2020年-2023年の群発地震は珠洲周辺。
2007年-2008年は門前周辺。最大M6.9。
(M6.9のときE=1.41[PJ]。M7.6は約11倍。)
今回も震源は珠洲だが、能登半島北岸の断層が連動してずれ動いた。
珠洲沖 - 輪島沖 - 猿山沖 - 門前沖
▼ 産業技術総合研究所(産総研) 地質調査総合センター GSJ 活断層データベース(gbank.gsj.jp/activefault/)から
- 産総研 … 令和6年(2024年)能登半島地震の関連情報(www.gsj.jp/hazards/earthquake/noto2024/)
- 金沢大学 地震学研究室 - 2024年1月1日のM7.6の地震(令和6年能登半島地震)(hakusan.s.kanazawa-u.ac.jp/seismo_lab/topics/page-2835/)
- 国土地理院 … 令和6年(2024年)能登半島地震に関する情報(www.gsi.go.jp/BOUSAI/20240101_noto_earthquake.html)
▼ 産総研HPから地震発生域周辺(能登半島北岸沖)の[海底]活断層
能登半島北岸は隆起して陸化。
▼ 国土地理院HP … 「だいち2号」観測データの解析による海岸線の変化。赤色の沿岸部が陸化域
▼ 国土地理院HP … 「だいち2号」観測データの解析による地殻変動
追)上図の更新版は珠洲市まで網羅されている。
※ だいち2号干渉SARについては、2023年2月のトルコの大地震の時にまとめた
干渉SAR画像を眺める + 衛星「だいち」
「2.5次元解析」の上下方向、東西方向の図が分かりやすい
北西の猿山岬周辺が『約4mの隆起』。
追)珠洲市北部で『最大約2mの隆起、最大約3mの西向きの変動』。
トルコの(M7.8の後の)M7.5地震では最大4m横ずれ。
ついでながら昨年(2023年)末、ニュースになっていた東日本大震災(2011年、M9.0)でできたとみられる日本海溝(宮城県沖、水深約7500m)の崖が高さ26m。
※ 新潟大学など
2023年がちょうど関東大震災から100年で、
大震災の時の津波は海岸の隆起も重なって人的被害は比較的抑えられているが、
今回の能登半島地震も北岸は隆起して、津波の高さは見かけ上抑えられている様子。
一方、上々図の赤色でない沿岸部、珠洲市~能登町の東部では4m近い津波のところもあったらしい。
門前の南の志賀町も津波被害の報告がある。
志賀原子力発電所は停止中。
志賀町は震度7記録したところ。1月6日、謎の震度6弱観測。
原発は珠洲に建設する計画もあった。
津波警報は高さ3m、5mと出たが、合っている。
珠洲市~能登町の東部、特に突端の珠洲市三崎町などは、ハザードマップの津波浸水想定区域で大きく影響受ける地域になっているので、想定外というわけではない。
しかし、震度7や震度6の後、津波到達まで1分-3分。避難できるか---。
難易度高すぎる。
かと言って、地震予知は無理。いつ起こるか日時までは分からないし、分からなければ避難しない。
向こう1年-3年以内に大地震が起こる確率80%といった類の予測は可能かもしれないが、近年の能登半島がそのような状況に近かったと思う。
道路寸断、断水、停電、通信障害、……。
被災範囲が広域に及んでいると救援もなかなか来ない。
能登半島は沿岸部から内陸部まで広く集落が点在していて、なかなか隅々まで救援・支援が行き届かない。
雨、雪、……。
正月というタイミングの悪さもあるが、防災の限界を見ているような気もする。