五輪が終わるのを待ち構えていたかのように戦争が始まってしまった。パラリンピックも控えているが関係なさそうだ。第三次~の入口にいると思うと陰鬱な気分にさせられる。
ロシアとEUの間で
昨年(2021年)末からたびたびロシア-ウクライナ情勢の緊迫化が伝えられていたが、今回ほどの大規模侵攻を予想していた人は軍を除くとほとんどいなかった。
軍はいろいろ情報つかんで分析しているが、ベラルーシから首都キーウ(キエフ)への侵攻も現実のものとなった。
楽観的な予想は分析ではなく願望なのかもしれないが、
戦争回避の可能性は決して0ではなかったとも思う。
ロシアのプーチン大統領は今や暴走老人に成り果てているし、ウクライナのゼレンスキー大統領は思っていた以上に頑固だし、アメリカはお疲れ気味のやバイデンさんで昨年(2021年)8月のアフガニスタンどたばた撤退がまだ記憶に新しい。国際連合(国連)は役に立っていない。
振り返ると
- 1991年 ソビエト連邦解体。ウクライナ独立
- 1994年 ブダペスト合意
ソビエト時代からの核兵器放棄 + 安全保障
ウクライナの他、ベラルーシ、カザフスタンも - (2004年 バルト三国 北大西洋条約機構 NATOへ加盟)
- 2004、2005年 「オレンジ革命」 - 親EU政権誕生
大統領毒盛られたんじゃないかとか、大統領と盟友だった女性首相が対立するなどごたごた - 2010年 親ロシア政権
汚職 - 2013、2014年 内紛・動乱経て親EU政権 - ロシアによるクリミア「併合」 - ミンスク[停戦]合意
- 2019年 現ゼレンスキー政権
2004年以降、ウクライナはロシア絡みでごたごた続き。
ソビエト解体後もNATOが東へ拡大して、そのたびにロシアは反対してきた。隣国ウクライナのNATO加盟は何としても阻止したいというロシアの考えは理解できる。
ロシアもヨーロッパに近づこうと努めていたが、受け入れられない溝があるのも理解できる。
しかし、民主化した東欧諸国が強権的なロシアを恐れてNATOへ加盟していくという流れでもあった。
ロシアの政治を動かしているのはソビエト育ちの世代で、ロシアの言う「防衛」は依然脅迫込みで異質。
日本もロシアの周辺国なのでNATOに加盟してNATTOに変えてみるのも一案だと思うが、それは冗談として、日本の対ロシア外交はおかしかった。
※ 日本はNATOのパートナー
今回のウクライナ侵攻にはプーチン大統領の個人的感情が入っている。ソビエト時代懐古に加えて自分より若いゼレンスキー大統領の言動が目障りで排除したかったのだろう。
ウクライナ国境に兵を集めて侵攻も辞さない姿勢を見せることで態度を改めさせようとしたが、思ったようにはいかなかった。
侵略 対 祖国防衛
ウクライナのことはウクライナ自ら決めることだが、
ごたごた感の拭えないウクライナのNATO加盟に欧米は消極的で、かつ、
ロシアとの戦力差を鑑みると、
NATO加盟に固執せず、うまく振舞ってほしかった。せめてプーチン氏リタイアまで。
危機感の薄い外の人がアレコレ言えることでもないが、戦争は悲劇。
戦争回避に努めるのが最高責任者の責務だと思う。
スラブ人は話し合いによる解決が不得手っぽい。
残念なことになってしまったが、
ウクライナには何とか侵攻を止めて退けてほしい。
容易に制圧を許してしまったら世界中に悪影響が及んでしまうと懸念していたが、当初の予想を覆してくれた。
ウクライナ人が勇敢であることは疑いない。
威勢が良すぎるのも考えものだが、ゼレンスキー大統領は既に英雄。
当初あっけなく破られたように報じられたウクライナの防空システムが依然機能しているのは闇の中の光。
NATOから見放されたかのようにも報道されていたが、水面下でいろいろ支援されているのかもしれない。そうでなかったら世紀の大失策。あとあと響いてくる。
泥沼化してきているが、うまく停戦してほしい。
ベラルーシは憲法改正してロシアの核兵器を配備できるようにした。なかなか抜け目ない。ロシアの命令かもしれないが。
ロシアはウクライナをベラルーシのように扱いたいのだろう。ひどい「兄弟」がいたものだ。
核兵器使用をちらつかせるプーチン首領。
うまくいっていない証左でもあるが、
うまく停戦する必要がある。
仲介役がいない。チャイナあたり世界に好印象を与える最良の機会だが……あっ、これから侵攻しようとする側だったか。(ロシアを強気にさせた黒幕的存在。)
ウクライナのロシア離反に拍車がかかり、
経済制裁によって国益が損なわれ、
国際社会の信用も失われた。
亡国への道進んでいる。
相当尾を引く。
日本は?
日本は2014年のクリミア問題の際、ロシア制裁に及び腰だった。
北方領土の問題もあるが、それ以上に相手を過度に刺激して対立したくないという考えが染みついている。
決して悪い考えではないが、残念ながら既に対岸の火事では済まなくなっている。
憲法改正は抑止力を理解している(新しい)政党の下で行われてほしいが、今回、決して間違えてはいけない局面において政府は対応を間違えなかった。
ある程度の融通は必要だが、ダメなものはダメと言えなくなったら腐敗していく。
侵略ダメ。
もしも不安に感じるなら戦力高めて抑止力を高める他ない。
今後必至の国連改革でも忌憚なく発言していく必要がある。
日本の対ロシア外交はおかしかった。
北方領土については以前述べたので繰り返さないが、
2島返還 - 平和条約 - 経済協力
でwin-win
んなわけない。
ロシアが日本から得た金は軍備強化、基地強化に使われる。
めったに笑わないプーチンちーんから微笑みを引き出すことには成功したが、
北海道防衛の視点が明らかに欠けていた。そこが大問題。
2島返還に与した人、経済先行に反対しなかった人は、しばらく黙っていたほうがよいでしょう。
今のロシアは以前と違う?。いいえ、同じです。
化けの皮が剥がれた。
なお、上の地図の黄色ラインまで分けてもらえると
日本が世界最大の国になります。