遠い遠い宇宙
深宇宙
ここでいう深宇宙は地球から100億光年以上遠方
新宇宙望遠鏡によって
宇宙誕生間もない頃(誕生から数億年後)に放たれた光を見れるようになる
ウェッブ宇宙望遠鏡 1st Image
NASA/ESA/CSA ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 JWST James Webb Space Telescope(www.jwst.nasa.gov/)
口径6.5m。赤外線観測
※ CSAはカナダ宇宙庁
待望のフルカラー・ファースト画像 SMACS 0723
Volans(とびうお座)方向 約46億光年先の銀河団。
約46億年前は地球誕生、太陽系誕生の頃。
光り輝く星空の星が(見え)ない領域を宇宙望遠鏡で覗いて見ると星がある。
しかも1つの星ではなく銀河だったりする。
上のファースト画像は約46億光年先をとらえたもので、130億光年以上離れた銀河も写っている、とのこと。
ファースト画像は他に4枚公開された。
5枚のうち割とよく見かけるのが
カリーナ星雲 Carina Nebula NGC3372。
追)写真はNGC3372傍のNGC3324の一部
Carina(りゅうこつ座)方向 銀河系内7600光年先。
深宇宙ではないが、ガス、塵から星が次々と生まれている領域。「宇宙の崖 Cosmic Cliffs」と呼ばれているようです。
待望の---
ウェッブ宇宙望遠鏡は、打上げが10年程延びに延びて昨年(2021年)12月、ようやく打上げられた。
NASA長官曰く『NASAの最高傑作』。
ハッブル宇宙望遠鏡の後継とも言われるが、ハッブル宇宙望遠鏡は延命して今尚現役。
NASA/ESA ハッブル宇宙望遠鏡 HST Hubble Space Telescope(hubblesite.org/)
1990年打上げ
口径2.4m。主に可視光線観測
ハッブル宇宙望遠鏡は高度約600kmの低軌道 LEO Low Earth Orbit。
ウェッブ宇宙望遠鏡は地球周回軌道ではなく太陽-地球系のラグランジュ点 L2で観測。地球から約150万km。
宇宙望遠鏡は他にスピッツァー宇宙望遠鏡(2003-2020年)(www.spitzer.caltech.edu/)や太陽系外惑星探索目的のケプラー宇宙望遠鏡(2009-2018年)、TESS(2018-現役)などがある。
宇宙誕生 - 星誕生
138億年前が宇宙誕生。
ハッブル定数の逆数が宇宙年齢。ハッブル宇宙望遠鏡のハッブルさん。
宇宙は(一様・等方に)膨張していて、
銀河・星が遠ざかっていく速度は遠方ほど速い、
というのがハッブル[・ルメートル]の法則。
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銀河・星の後退速度 Vは距離 Dに比例する
V = H ・ D
H:ハッブル定数
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Hの値は(現在)70前後[km/s・Mpc-1]。
Mpcはメガパーセク。距離の単位。1pc(パーセク)=3.26光年なので、1Mpc=326万光年。
逆数H-1 = 1/71[Mpc・s/km] = 326万/71[光年・s/km]
光速 c=約30万[km/s]を掛けると
(326×30×108)/71 = 137.7億[年]
H=70.5だと138.7億年。
H=70だと139.7億年。
定数と言いながら今後も変わっていく可能性がなきにしもあらず。
追)WMAP衛星の71は10年近く前の値で、近年は72~74が多い
宇宙誕生から宇宙暗黒時代を経て、最初の銀河・星が誕生した。宇宙誕生から数億年後(正確にはまだ不明)。
確認されている最も遠方の銀河は、
(見かけ上)約134億光年先 銀河「GN-z11」
(見かけ上)約135億光年先 銀河(候補)「HD1」
結構最近のニュース。
東京大学宇宙線研究所など 【プレスリリース 2022.04.07】135億光年かなたの最遠方銀河の候補を発見(www.icrr.u-tokyo.ac.jp/news/11570/)
追) (見かけ上)約135億光年先というのは約135億光年前に放たれた光を見ているという意味。その間銀河はどんどん遠ざかっているので、現在の距離は約135億光年よりもっと遠方
次の記事「赤方偏移について」に続く---
ちなみに確認されている最も遠方の星(銀河ではなく恒星単独)は、
(見かけ上)約129億光年先 「エアレンデル Earendel」
こちらも今春報じられたニュース。
ジョンズ・ホプキンズ大学、宇宙望遠鏡科学研究所 STScI(www.stsci.edu/)、千葉大学など国際共同研究チーム
千葉大学 プレスリリース(www.chiba-u.ac.jp/general/publicity/press/) - 2022年3月31日
それまでは、(見かけ上)約90億光年先 「イカロス Icarus」が最も遠方の星だった。
この世とは思えないが、この世。