2021年8月13日、小笠原・硫黄列島の福徳岡ノ場(南硫黄島の北)で噴火。
噴出した軽石は初め福徳岡ノ場から北西へ流れ、その後、西へ流れ、
10月以降各地で大量(多量)の軽石が漂着した。
日本列島沿岸では黒潮が西(南)から東(北)へ流れている。
その南方には東から西へ流れる黒潮反流もある。
10月4日に大東諸島で軽石漂着の報告。
噴火から約2ヶ月経った10月10日以降、喜界島、奄美大島、沖縄本島、久米島、与論島、……。
11月以降、伊豆諸島で確認。こちらは福徳岡ノ場から北上。
下図はJAMSTEC(海洋研究開発機構)のトピックス 『福徳岡ノ場の噴火と海流による影響について』(www.jamstec.go.jp/j/jamstec_news/20211028/)から。
軌跡ではなく予測シミュレーション(10月13日のキャプチャー画面)。
今後の予測シミュレーションは、『福徳岡ノ場の噴火と海流による影響について(最新シミュレーション)』(www.jamstec.go.jp/j/jamstec_news/20211116/)から。
JAMSTECのコラム 【福徳岡ノ場】(www.jamstec.go.jp/j/jamstec_news/fukutokuokanoba/)によると
1986年の噴火の時も沖縄など各地で軽石漂着が報告されていて、
この時は噴火から沖縄漂着まで約4ヶ月で、
今回よりも少量だった、とのこと。
太平洋側は愛媛、和歌山へ、東シナ海側は福岡へ、日本海へ。
海流だけでなく風の影響も受ける。
ほぼ無人に近い地域の海底火山なので人目に触れる機会がなかなかないが、今回の福徳岡ノ場噴火は規模が大きく、国内の20世紀以降では、1914年の桜島大噴火に次ぐ規模の大噴火。
産業技術総合研究所 地質調査総合センター … 火山研究情報 … 福徳岡ノ場火山2021年(www.gsj.jp/hazards/volcano/fukutokuokanoba/2021/)
によれば、
火山爆発指数 VEI=4
噴火マグニチュード(噴火M)=4.5~5.1(推定)。
※ 噴火の規模を表す指標は噴出物の量を元に決められている
噴出物の量1km3超でVEI=5超 ・・・ 大大噴火
1914年の桜島大噴火もVEI=4(噴火M=5.6)、1707年の富士山宝永噴火がVEI=5(噴火M=5.2)
噴火MはHAYAKAWA’s 2000-YEAR ERUPTION DATABASE(www.hayakawayukio.jp/database/)参照 ・・・ リンク切れ
ついでながら上記情報(福徳岡ノ場火山2021年) - 『福徳岡ノ場を起源とする軽石の特徴』
に福徳岡ノ場由来の軽石か別の軽石か見分け方が載っている。
なお、福徳岡ノ場の新島は11月29日の時点でまだ残っている。
※ 海上保安庁HP参照
追)2022年水没。
予測シミュレーションではなく実際の衛星画像は、
JAXA 衛星「しきさい」GCOM-C等による軽石観測情報(earth.jaxa.jp/karuishi/)
から見ることができる。
② 軽石解析画像(8月10日以降毎日)
雲が多かったり、しばらく見続けないと読み取れないかも。
灰色:雲[マスク]、黒:陸、青:海、水色:漂流軽石
① 軽石推定分布
衛星画像から読み取って地図に色塗りされたもの。
軽石漂流の軌跡になる。レイヤーは10月14日以降。
今月(12月)は奄美大島、沖縄本島周辺に少し分布しているだけで目立たない。
下図は11月20日-12月5日のレイヤー。
12月に入って静岡などでも確認されているが少量。
大量の軽石は厄介だが、ごみではない。
高性能の吸着材に変わるようです。
軽石状ゼオライト複合体(ゼオライト軽石) - 神奈川県立産業技術総合研究所 KISTEC、鹿児島県工業技術センター