連日「記録的」大雨のニュースが続いている8月。
「夏雨前線」とでも言うべきか、また日本列島に停滞前線が掛かって、西日本中心に大雨。
2年ぶり開催の高校野球は、8月20日時点で、まだ1回戦・2回戦。
8月半ばなのに気温19℃の時もあった。
そうかと言って冷夏でもない。
台風の動きも変。
異変の夏。
以下、8月までの主な水害。
追)その他、降水量、氾濫河川のメモは、別のページへ移した →
各地で土砂災害多発。
8月11日から 九州・中国など 記録的大雨
8月11日から1週間以上どこかしらで大雨が降っていて、特に11日-15日は西日本の広い範囲で大雨。2018年の西日本豪雨に匹敵する雨量。
8月11日-15日の1時間降水量(最大)、24時間降水量(最大)のプロット →
西日本の8月の雨量は過去100年で最多レベル、とのこと。
今回氾濫した江の川、筑後川は2018年7月(西日本豪雨)、2020年7月も氾濫。
今回氾濫した六角川は2018年7月、2019年8月末も氾濫。
7月28日 台風8号 宮城県上陸
昨年(2020年)は上陸0だったので、2年ぶりの上陸。
太平洋から東北地方への台風上陸は1951年の統計開始以来2度目。
1度目は2016年8月、台風10号の岩手県上陸。
西へ横断して秋田県沖で温帯低気圧に変わった。
7月7日-12日 中国・九州 記録的大雨
7月7日-12日の1時間降水量(最大)、24時間降水量(最大)のプロット →
6月29日-7月3日 東海・関東南部など 大雨 + 熱海土砂災害
(※ 既存の別ページから移した)
6月29日-30日 沖縄で大雨。
7月に入って伊豆諸島、静岡、神奈川などで記録的大雨。
特別激しい豪雨ではなかったが、
梅雨前線まわりで長々降り続いて各地で被害が出た。
(積乱雲が次々と生まれて線状に並ぶ)線状降水帯ではないが、南から暖かく湿った空気が流れ込んで、同じ場所で雨が降り続いた。
風もなくありきたりの梅雨の天気に思えたが……
(夜中強く降ったようだが、熟睡して分からず)
静岡県熱海で大規模土石流発生。
6月29日-7月3日の24時間降水量(最大)のプロット →
静岡県熱海の大規模土石流
7月3日10:30頃、熱海市伊豆山の逢初川沿いで発生。
逢初川 area
川沿いの坂道を結構な勢いで流下。
10m/s(=36km/h)。
発生してから避難しても間に合わない。
長時間(1時間近く)にわたって数波続いたという証言も。
下の図・写真は、
国土地理院 令和3年(2021年)7月1日からの大雨に関する情報
から。
住宅地一帯は土砂災害警戒区域(土石流)に指定されているが、被害を防げなかった。
鉄道(熱海-湯河原)は被害を免れた。橋の下を流下した。
土石流の発生条件は、
- 雨量(降水量)
- 地形(斜面勾配など)
- 堆積物の組成
豪雨による土石流というより長雨による土石流。
石はあまり含まれていない泥流。
一番近い観測所・網代の
24時間降水量(最大)は7月3日の184mm、
7月3日までの72時間降水量(最大)は411.5mm。
熱海は急斜面だらけで、確かに雨量も多いが、
これ程までに大規模な土石流が起こる雨量だったのか、というと結構疑問に思えた。
東向きの斜面で例年雨量が少ない、という説明もあったが、
上流部の谷に盛られていた大量の土が深層からごっそり崩壊しているので、人災の部分も結構あると思う。
流出土砂量約10万m3。うち盛土が5万m3超。
上流部には砂防堰堤もあったが、貯砂量は4200m3。
雨雲がだんだん抜けて小降りになって、前兆もあまりなかったようだから、避難を巡って適切だったか否か、今後の対策うんぬんは相当難しいと思うが、被害を大きくしたという点では開発(地形改変)絡みの特殊な土砂災害かもしれない。
今後、周辺の開発との因果関係などを調査するとのこと。
日本全国、住宅地の上流部に似たようなところがないか再点検が必要。