今回の台風14号は、最盛時の中心気圧が965hPa。数日前日本列島を覆っていた大きな予報円の南の海上を東へ進み、遠ざかっていった。
北や東ではなく伊豆諸島の南へ遠ざかっていくという奇妙な動きをしているが、勢力を盛り返してもう一巡する、ということはなかった。台風が通ってきた海域の海面水温は27-28℃だが、日に日に弱まっている台風にはあまり関係ないようだ。
GPV Weather - 各国モデルの台風進路予想のページ(www.gpvweather.com/typmodels.php)を覗いてみたところ、
10月6日にカナダ気象庁 CMCが割と近い予想をしていた。
だが、10月8日、北東へ過ぎ去る予想に変わり、代わりにアメリカNOAA NCEPが南下の予想になった。フィリピンへ。幾度も見返してしまった。
10月9日、各機関こんがらがって、北東へ過ぎ去る予想はヨーロッパECMWFのみ。
北に(移動性)高気圧があり、東に低気圧があり、その上空で生まれた空気の渦に巻き込まれるように南下する、という説明。
偏西風が例年よりも北を流れていて、台風が引っ張られないというのも一因のようだが、日本列島から南下していく台風にはなかなかお目にかかれない。
弱いから周囲に振り回されるのだ。
だが、影響力はある。
寒いから上陸なんかしないだろうと思ってたいして警戒していなかったが、伊豆諸島では『これまでに経験したことのないような大雨』の特別警報が出た。
『避難勧告や避難指示(緊急)に相当する気象状況の次元をはるかに超えるような現象……』。大げさな表現だなと思ってしまったが、八丈島、三宅島、御蔵島で記録的な大雨。土砂崩れも発生。
最大瞬間風速は、
10月8日 鹿児島 尾之間:36m/s、高知 室戸岬:33.7m/s、鹿児島 種子島:32.5m/s、東京 八丈島:30.5m/s
10月10日 東京 三宅島:30.9m/s、和歌山 潮岬:30.1m/s
風速36m/sは十分強いが、台風本体よりも秋雨前線が活発化して大雨を降らせた。しかも速度が遅いので長雨になった。豪雨とは少し違った危険性。
1時間降水量の最大値は、100mmを超えたところはなく、
10月10日 東京 三宅坪田:86mm
10月11日 東京 八丈島:59.5mm、八重見ヶ原:50mm
10月8-11日の間の24時間降水量の最大値は、
東京 三宅坪田:429.5mm、和歌山 色川:373mm、東京 三宅島:344.5mm、三重 尾鷲:309.5mm
東京 八丈島:284.5mm、大島:283.5mm、和歌山 新宮:259mm
紀伊半島もかなりの雨量で、土砂崩れ発生。
10月8-11日 24時間降水量(最大)のプロット →
※ 10月7日までで新潟県佐渡市 秋津地域気象観測所 廃止
一昨年あたりから東海・南関東~伊豆諸島の9-10月はデンジャラスな季節になりそうだと肝に銘じているが、さほど外れてはいない。
思い返せば昨年の今頃は、大型台風19号とラグビーW杯だった。
その後、10月25日にも千葉・福島で台風21号の接近に伴う豪雨があったので、まだ台風シーズン終わりとは言えないが、今年は本土への上陸0で終わるかもしれない。