2011年3月11日 14:46発生。震度7、M9.0(Mw9.0)。
震源は宮城県沖約130km。震源の深さ24km。
- 震度7
宮城県栗原 - 震度6強
宮城県涌谷、登米、美里、大崎、名取、蔵王、川崎、山元、仙台、石巻、塩竈、東松島、大衡
福島県白河、須賀川、国見、鏡石、天栄、楢葉、富岡、大熊、双葉、浪江、新地
茨城県日立、高萩、笠間、常陸大宮、那珂、小美玉、筑西、鉾田
栃木県大田原、宇都宮、真岡、市貝、高根沢
過去の東北地方三陸沖の大地震・大津波は、
- チリ[沖]大地震 - 大津波 [1960.5]
⇒ 太平洋津波警報整備 - 昭和三陸地震・大津波 [1933.3]
- 明治三陸地震・大津波 [1896.6]
- 慶長三陸地震・大津波 [1611.12]
- 貞観三陸地震・大津波 [869]
東日本大震災の死者・行方不明者は22000人超。
地震・津波による犠牲者18000人超 + 震災関連死。
うち宮城11700人超、岩手6200人超、福島4100人超。
※ 消防庁調べ 2020年3月10日
避難生活で病状が悪化するなど震災関連死が3700人超。
うち福島2200人超、宮城900人超、岩手400人超。
※ 復興庁調べ 2019年9月30日
東日本大震災犠牲者 地図 →
※ 人口は登録人口。避難者が多くいる福島・浜通りの自治体は実態とは異なる。
被災地
宮城
- 石巻
死者・行方不明者4000人弱。
石巻港
南浜地区は津波・火災で多くの犠牲者が出た。
石巻南浜津波復興祈念公園を整備。
北の門脇にある門脇小学校は震災遺構。
牡鹿半島
津波が押し寄せてくる前、金華山との間の海底が露出した。
地震の後、水平方向5m超の地殻変動、垂直方向1m超の沈降を観測した。
河北
大川小学校
校舎全体が水没し、多くの生徒・教員が犠牲になった。
北上
石巻市北上総合支所
避難所だったが想定を上回る津波のため全壊。 - 気仙沼
死者・行方不明者1400人超。
地震直後、火災が多数発生した。鹿折地区で大きな被害が出た。
海から約800m内陸の鹿折市街まで打ち上げられた大型漁船「第18共徳丸」は解体。
内湾の市街地をかさ上げ。
気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館 → - 東松島
死者・行方不明者1100人超。
松島基地で戦闘機水没。 - 名取
死者・行方不明者1000人弱。
岩沼市との境にある仙台空港まで津波が到達。
閖上(ゆりあげ)
市内の犠牲者の7割超。
かさ上げ再建、2019年まちびらき。 - 仙台
死者・行方不明者950人。
若林区、宮城野区で津波被害。
東部沿岸部集団移転。
若林区荒浜
荒浜小学校が震災遺構
宮城野区蒲生 - 女川
死者・行方不明者870人超。女川原発所在地。
女川港など津波被害。女川駅流失。
沖合の無人島・笠貝島で津波遡上高43.3m(調査の結果)。
旧女川交番は震災遺構。 - 南三陸
死者・行方不明者830人超。
志津川
南三陸町防災対策庁舎
高さ12mだったが、屋上まで津波にのまれた。解体されず県有化。 - 山元
死者・行方不明者710人超。
沿岸部で津波被害。坂元駅流失。
旧中浜小学校が震災遺構。敷地内に残った一本松も移植して保存。 - 亘理
沿岸部、鳥の海周辺から内陸まで町の半分近く津波被害。 - 多賀城
仙台港から市中心部まで津波が到達して被害が出た。 - 岩沼
沿岸部で津波被害。
沿岸部6地区(相野釜、藤曽根、二野倉、長谷釜、蒲崎、新浜)の住民は内陸の玉浦西へ集団移転した。 - 七ヶ浜
菖蒲田浜、花渕浜、吉田浜など沿岸部で津波被害。 - 塩竈
- 登米
地震直後、栗原で震度7記録。
追)
岩手
- 陸前高田
死者・行方不明者1800人超。
防潮堤が全壊して市街地が壊滅状態になった。
市街地(高田・今泉地区)を10m以上かさ上げ。
高さ10m超の防潮堤を整備。
高田松原
約7万本あった松のうち唯一残った「奇跡の一本松」は、その後枯死したが復元。
2019年9月、東日本大震災津波伝承館、新・道の駅OPEN →
一帯は高田松原津波復興祈念公園として整備中。 - 大槌
死者・行方不明者1200人超。
津波で流されて民宿屋上に乗り上げた観光船「はまゆり」は撤去・解体。
旧役場庁舎も解体。
2019年11月、三陸屋台村おおつち○○横丁OPEN → - 釜石
死者・行方不明者1100人超。
鵜住居(うのすまい)
市内の犠牲者の約5割。鵜住居駅流失。
高台にはない防災センターへ避難して助からなかったケースもあった。
2018年、釜石鵜住居復興スタジアムOPEN。2019年、ラグビーW杯開催。
うのすまい・トモス → - 山田
死者・行方不明者830人超。
沿岸部で津波被害。大沢、山田、織笠、船越/田の浜、大浦。
山田地区では地震直後、火災が多数発生した。
御蔵山に「鎮魂と希望の鐘」。
2019年6月、山田町復興記念まちびらき。 - 宮古
死者・行方不明者560人超。
重茂半島魹ヶ崎(本州最東端)の姉吉で津波遡上高40.5m記録。日本観測史上最高。
震災メモリアルパーク中の浜 →
田老
国内最大級の防潮堤が築かれ、チリ沖地震の津波は防いだが、東日本大震災では決壊。
たろう観光ホテルが震災遺構として残っている。新しいホテルは高台の「渚亭 たろう庵」。
2018年、宮古~室蘭間フェリー開設 →
追)2020年から八戸~室蘭に代わり、2022年に休止 - 大船渡
死者・行方不明者約500人。
港の湾口防波堤が崩壊して市街地被災。
市街地をかさ上げ。
大船渡津波伝承館 →
綾里
綾里湾で津波遡上高40.1m記録。 - 野田
沿岸部で津波被害。 - 田野畑
沿岸部で津波被害。 - 一関
- 岩泉
沿岸部の小本地区で津波被害。
福島
茨城
- 日立
- 北茨城
千葉
- 旭
飯岡で津波被害。
浦安で液状化被害が発生。
その他
青森、北海道、山形、栃木、群馬、東京、神奈川も被災。
青森・八戸港の映像が記憶に残っている。
翌3月12日 長野県北部地震 震度6強、M6.7
長野県栄村
復興・防災
復興庁(www.reconstruction.go.jp/)
2012年2月、発足。
各省庁を横断的に調整して被災地復興支援。
震災から10年の2021年で廃止される予定だったが、2031年まで延長。
2014年4月、三陸鉄道全線復旧。
2019年3月、JR山田線宮古~釜石間が三陸鉄道へ移管。
2019年10月、台風19号で被災。
少しずつ復旧中。2020年3月20日、全線復旧。
気仙沼線と大船渡線は一部BRT(バス専用道)化。
気仙沼線・大船渡線BRT(www.jreast.co.jp/railway/train/brt/)
2020年3月、常磐線浪江~富岡間が運行再開、全通。
復興[支援]道路
三陸自動車道(三陸沿岸道路)
宮古盛岡横断道路
釜石自動車道
東北中央自動車道 相馬福島道路
大量の震災がれき
⇒ 広域処理 「絆」
広域処理には賛否両論あった。
・ 震災遺構/自然災害伝承碑
震災伝承施設HP(www.thr.mlit.go.jp/sinsaidensyou/sisetsu/)
震災の後、注目されたのが宮古市重茂半島・姉吉の大津浪記念碑。
1933年の昭和三陸大津波の後、「…想へ惨禍の大津浪、此処より下に家を建てるな。…」の教訓を刻んだ石碑が建てられ、東日本大震災では、この石碑の手前で波が止まって被害を免れた。
以下のページでプロット。
振り返ってみれば、大震災の2日前の3月9日に東北地方で震度5弱の地震があり、津波注意報も出た。
(大地震の前震とみられる)この時点で、
「2-3日後、大地震・大津波が発生しますので避難してください」
といった旨の告知ができれば、地震予知可能な世界といえるが、果たして可能だろうか。
間違いなく前兆はあるはずだが……。
津波対策
大地震で建物が壊れるなどの被害が出たが、死者・行方不明者の約9割は津波による被害だった。
大きな揺れがおさまってから15-20分で高台目指して避難するのは容易ではない。ましてや高齢者や身体の不自由な人には相当難しい。
避難しようにも近くに高台が見当たらないところもある。
・ 防潮堤・水門
全て防げるならば一番望ましいが、越えられた場合、逃げ遅れるなど被害が大きくなる可能性もある。
岩手県普代村では高さ15m超の防潮堤・水門が港を守った。
一方、高さ10m超あっても越えられた防潮堤もある。宮古市田老に押し寄せた津波は防潮堤の倍以上の高さがあり、遡上高37.9mを記録した。
津波は「波」というから巨大な波が押し寄せてくるイメージが強かったが、海面がどんどん盛り上がってくるイメージに変わった。
・ 土地のかさ上げ
陸前高田、大船渡、気仙沼などで実施。
・ 高台移転
昭和三陸大津波の後に海岸から高台へ集落を移転させた大船渡市三陸町吉浜や綾里・白浜では津波によって家屋が流されることはなかった。
過去に津波が到達している地域の市街地化は危険。
「津波てんでんこ」
てんでんばらばらに逃げろ、という三陸地方の先人の教え。
非常事態における究極の避難対応だと思う。
「津波てんでんこ」とは少し違うが、岩手県釜石の小中学生は教員の指示を待たずに高台目指して避難し続け皆無事だったという。
後日映像で見た某役所の避難指示のアナウンスは、津波が到達しているにもかかわらず切迫感が全く感じられなかった。
落ち着いて行動を、というのも分からなくはないが、茨城県大洗では町長が命令口調でアナウンスして犠牲者が出なかった。
福島第一原発の近くでは事故のため救助活動が中止になった。
原発事故は余計だった。
47000人超が避難生活。
まだ復興途上。
Link
- 東北地方整備局 震災伝承館(www.infra-archive311.jp/)
- WEB防災情報新聞(www.bosaijoho.net/)
「日本の災害/防災 年表」が細かい