2025年3月 東京・地下鉄サリン事件から30年

太古~平成

 1995年(平成7年)3月20日、東京・営団地下鉄(現・東京メトロ)で猛毒ガス・サリンが撒かれた。
 前年の松本サリン事件とともに前例のない無差別殺傷事件。
 宗教団体・オウム真理教による組織的犯行。山梨県上九一色(かみくいしき)村(現・富士河口湖町、甲府市)など教団施設一斉捜査。実行犯ら逮捕。
 その後、
 3月30日、警察庁長官が狙撃される事件
 あーいえばじょーゆー
 4月、教団ナンバー2が刺殺される事件
 あーいえば
 5月、山梨県上九一色の教団施設で教祖逮捕。

 30年経った。
 私らの世代があさま山荘事件など赤軍の事件をリアルタイムで知らないように
 今の20代の人はオウム真理教の一連の事件をリアルタイムで知らない。
 30年前は私も学生。
 1995年1月に阪神・淡路大震災があって、サリン事件の後、もののものしい雰囲気が続いたが、当時は携帯電話もインターネットも普及していなかったので、新聞やTVのNEWSは確かに新・NEWだった。

 1995年は新OS Windows95発売の年。
 PCはMS-DOS、電話回線(ダイヤルアップ接続)でパソコン通信 NIFTY-Serve、電話料金がかかるのでインターネットは学校のPC、ブラウザはMosaic(モザイク)、そんな時代。
 よく秋葉原へ行った。

 事件前、オウム真理教は秋葉原でPC売っていた。マハポーシャ。怪しい噂を耳にしていたので避けていたが、そもそも街自体異空間だった。

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1989年-1994年

 個人的には1990年代初めに熊本県波野村(現・阿蘇市)で住民と教団が揉めているのを見てヤバイ集団と認識していたが、
 教祖ら信者が衆議院選挙に出馬したのが1990年で、
 坂本弁護士一家殺害事件が1989年(平成元年)なので、
 既に平成の頭から危険な集団だった。
 平成の頭というとサンゴKY事件がちらつくが、
 いわゆるTBSビデオ問題も1989年。
 坂本弁護士のオウム真理教批判の映像を放送前に教団幹部に見せて、殺害事件のきっかけになったと言われている。
 横浜で起きた事件なので、捜査は我ら神奈川県の警察。
 未解決事件になった。
 地下鉄サリン事件の後、再捜査。一家3人の遺体は新潟、富山、長野で別々に発見された。
 長野の信濃大町駅から扇沢に行く途中、タクシー運転手が「ココですよココ」と場所を教えてくれた。
 警察は地下鉄サリン事件の前、(実行犯から)場所を教えてもらったにもかかわらず、遺体を発見できなかった。
 ビデオ問題は地下鉄サリン事件の後、実行犯の供述から明らかになったが、TBSは事実を知らせることなく1996年まで否定し続けた。

 地下鉄サリン事件の前年(1994年)6月夜、長野県松本市の住宅街で有毒ガス発生。
 被害者約600人。
 有毒ガスは有機リン系の神経ガス・サリンと判明。この時までサリンなど広く知られていなかった。
 近くの第一通報者(河野氏)が警察、メディアに犯人扱いされ、地下鉄サリン事件まで払拭されなかった。
 身内が被害に遭って、かつ、容易に生成できないガスであるにもかかわらず。
 冤罪だが、目くらましに利用されたような感もあった。

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1995年3月

 そして1995年3月、地下鉄サリン事件が起こった。
 月曜朝の通勤ラッシュ時に霞ヶ関駅などで負傷者多数の報道。
 霞ヶ関は官公庁街。地下鉄日比谷線、丸ノ内線、千代田線が通るが、全3路線計5本の列車車内で同時多発的に猛毒ガス・サリンが撒かれた。
 被害者6000人超。
 サリンは車内で発生して乗客の異変に気づくまで走行し続けたので、霞ヶ関駅の他、築地駅、小伝馬町駅など3路線の沿線10を超える駅から被害者が運び出された。うち日比谷線の小伝馬町駅が被害者数最多。霞ヶ関駅の倍以上。サリン入りの袋が車内からホームに蹴り出されてホームの乗客にも被害が及んだとされる。
  ※ 33駅

 当時父が工事で霞ヶ関駅を利用していたので、
 もしかしたら……と日没後刻一刻お通夜になりかけたが、
 危なかったーと興奮しながら帰ってきた。
 毎朝丸ノ内線の先頭車両に乗って8時着。気づかなかったか1本前の列車だったか定かでないが難を逃れた。
 霞ヶ関駅には事件の数日前から通路に不審な黒いカバン(アタッシュケース)が置かれていて、その横を通っていたと話していたが、カバンの中身はボツリヌス菌(産生の毒素)噴霧装置だったとか。

 事件後、後遺症に苦しんでいる人達がいる。

 事件後まもなく山梨県上九一色の教団施設「サティアン」など強制捜査。先導カナリア。
  ※ 富士山西麓。隣の静岡県富士宮市に教団本部があった
 5月、教団施設「サティアン」の天井裏で教祖逮捕。

 地下鉄サリン事件は突如起こったわけではなかった。
 数年前から上記以外にも拉致事件など危険なシグナルが幾度もあった。
 事件前の1995年1月には山梨県上九一色でサリン(生成)残留物検出の報道もあった(前年秋に警察が検出)。
 宗教団体であることが判断を鈍らせたのかもしれないが、そうだとしたら過剰な配慮だった。

 長ーい裁判。
 (死刑だろ)。

 2018年、教祖・実行犯ら13名死刑執行。

 オウム真理教は後継団体が存続。
 その名はアレフ。
 びっくりドンキーびっくり。『一切関係がありません』。
 今、
 ・ Aleph(アレフ)
   東京・足立入谷などに拠点
 ・ 山田らの集団
 ・ ひかりの輪
が後継3団体。15都道府県約30ヶ所に拠点。

 事件など詳しくは、
 ・ 公安調査庁 オウム真理教問題デジタルアーカイブ(www.moj.go.jp/psia/aumarchive/)
 など。

 『オウム真理教は現在進行形の問題』

 事件をリアルで知らない若い世代(主に30歳以下)が主な勧誘対象。
 教養があれば洗脳、マインド・コントロールかからないと思うかもしれないが、高学歴の人も信者になっている。興味本位で近づくと引っ掛かるという話を耳にする。

 2022年以降、統一教会(世界基督教統一神霊協会、現・世界平和統一家庭連合)など新宗教(新興宗教)の話題が世間を騒がせた。
 首相の警護より教団の警護のほうが分厚かった。
 治安が悪くなっているように感じる。

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ふシゼン
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