水島新司さんの漫画というと「ドカベン」、「あぶさん」、「野球狂の詩」が真っ先に挙げられることが多いが、
個人的には「ドカベン」、「球道くん」、「一球さん」、「大甲子園」がよく見ていた作品。
物心ついた時には既に『がんばれがんばれドカベン~』やっていたが、
最初に見たのは「一球さん」。主人公は真田一球。
まだ本屋で漫画の立ち読みができた頃(ビニルカバーがなかった頃)。
まだ野球が何なのかよく知らなかったはずだから元々「一休さん」目当てだったのかもしれない。
「ドカベン」は床屋さんやラーメン店などに置いてあって、
そこで見たのがドカベンこと山田太郎の明訓高校 対 犬飼小次郎の土佐丸(高知)。
土佐丸はいろいろ強烈なチームで、特に印象に残っているのが丹座くんのダブルプレー阻止技術(いや芸術だったか)。これ会得するために片目を失ったのかよー、と思った。
土佐丸は次の春も明訓と決勝で戦って、犬神投手がキエヒヒヒ~言いながら怪投する。
夏は弁慶高校(岩手)にあっけなく負けてしまう。
何と無敗だった明訓も弁慶に負けてしまうのだが、
ダブルプレー阻止ってキケンだな、滑るべし
と教えてくれた(ような気がする)。
なお、この時の優勝校は通天閣(大阪)。坂田投手の通天閣打法-。
この後、明訓にやって来る新監督が花巻(岩手)の人で、
その後の展開にも繋がっていくのだが、
太平洋またいで今を時めく大谷選手も花巻。
リアル明訓高校は作者の出身地・新潟に実在する。甲子園にも出場して話題になったが、漫画の中では神奈川。
地元でもあるし(横浜の)保土ヶ谷球場も舞台になっているので親近感芽生えちゃうが、どこが明訓を倒すのか、という感じで見ていた。
ハッパの岩鬼、サチ子ちゃん、殿馬、里中、徳川監督、……いろいろ登場する中、
気に入っていたキャラは微笑(ほほえみ)三太郎くん。
横浜学院で土門-微笑バッテリーが実現していたら……。
不知火、雲竜、小林くんが立ちはだかる神奈川大会だけでも十分中身が濃いのだが、
一番印象深い試合は、かつて柔道部だった仲間たちが打倒山田太郎で再登場する関東大会。
「ドカベン」の最初のほう(鷹丘中学校時代)は柔道漫画。
えっ、わびすけ君まで野球に鞍替えか-、と思った。
いろいろ驚きの展開が続いて、
なかでも影丸のクリーンハイスクール(千葉)戦が強烈だった。
「球道くん」も見ていた。主人公は中西球道。『球けがれなく道けわし』。
青田高校も千葉。
かつては高校生で150kの豪速球連発というのは完全に漫画の世界だった。
「大甲子園」では160kも超えてくる。しかし、まさかまさか……。
鬼仏監督は忘れられないキャラ。
明訓ドカベン最後の夏は、球道くん、一球さんなどが激突する「大甲子園」。
その後、「ドカベン」はプロ野球編へ---。
全編通じて怪我や病気との闘いも一大テーマだったのかな、と思う。
水島さんの漫画は不滅。